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【ラグビーW杯】ONE TEAMの軌跡(上) 高い判断力、柔軟な戦術で8強入り

フォトセッションに臨む日本代表フィフティーン=21日、東京都港区の明治記念館(山田俊介撮影)
フォトセッションに臨む日本代表フィフティーン=21日、東京都港区の明治記念館(山田俊介撮影)

 ノーサイドの瞬間、膝から崩れ落ちた桜の戦士たちは、勝利に沸く南アフリカの選手たちと健闘をたたえ合った後、コーチやスタッフを交え、ピッチ上で円陣を組んだ。

 「みんなを家族のように思ってきた。下を向く時間は必要ない。胸を張ろう」と呼びかけたのはフランカーのリーチ主将(東芝)。準々決勝の壁は厚かった。それでも、「ONE TEAM(ワンチーム)」を合言葉に厳しい合宿を乗り越えて結束したチームは、自国開催のW杯で、目標に掲げた史上初の8強入りを見事に達成した。「W杯が終わっても、この誇らしさは忘れない」。ジョセフ・ヘッドコーチも感慨にふけった。

 1次リーグは破竹の4連勝。強さの源流となったのは指揮官が重視する選手の自主性だ。リーチら10人のリーダー陣を中心に選手ミーティングを重ね、コーチ陣が提示した戦術を咀嚼(そしゃく)して準備を進めるスタイルは選手の判断力を醸成。タックルを受けながらつなぐ「オフロードパス」を効果的に使ったテンポのいい攻撃の構築にもつながった。

 戦術の柔軟な使い分けも奏功した。過去9戦全敗だったアイルランド、前回2015大会で完敗したスコットランドには逆襲への警戒からボール保持を徹底。一方、ロシアとサモアにはキックを多用して攻め、ともに4トライ以上で得られるボーナス点を上積みした。

 ただ、豊富な引き出しは「絶対的武器」の欠如と表裏一体。屈強なFW陣の力を信じ、身体能力の高さを前面に押し出してきた南アフリカには歯が立たなかった。大会を通じスピードと運動量が光った日本代表だが、この武器をいかに磨くか。プロップ稲垣(パナソニック)は「こうすれば次に進めるという『ファイナルラグビー』に対してどうするか」と課題を挙げた。

 選手層の差も浮き彫りになった。登録メンバー31人をうまく回して8強に進んだ南アに対し、5人に出場機会がなかった日本は主力に負担が集中。激しい消耗により、準々決勝では自慢の持久力を発揮できなかった。「南アは優勝を目指して1次リーグから戦い、日本はもがいて、必死になって1次リーグを突破している。そこに差を感じた」とCTB中村(サントリー)。余力を残して決勝トーナメントを迎える優勝経験チームとの距離を痛感させられた。

           

 ラグビーW杯日本大会で国民を熱狂させた日本代表の快進撃は史上初の8強進出という結果で幕を閉じた。歴史を塗り替えた原動力や、さらなる躍進への課題を検証する。

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