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初出場の向、悔しい銀「勝たないと意味がない」 世界柔道

男子90キロ級の3回戦で、スロバキアの選手と対戦する向翔一郎=29日、日本武道館(川口良介撮影)
男子90キロ級の3回戦で、スロバキアの選手と対戦する向翔一郎=29日、日本武道館(川口良介撮影)

 男子90キロ級決勝で、向翔一郎(ALSOK)はノエル・ファントエント(オランダ)に敗れ、準優勝だった。

 勝ち上がるごとにガッツポーズを繰り返した柔道界の異端児が、最後は畳に突っ伏した。男子90キロ級決勝。初出場での快進撃が止まった向は「勝たないと意味がない」と涙が止まらなかった。

 残り約30秒。「相手がバテた。どうやって投げようか」。優位に立った油断が命取りになった。守りがおろそかになったところに足技を続けられ、肩から畳に落とされて技ありを奪われた。

 ここにたどりつくまでには遠回りをした。日大時代、一度は畳に立つことを許されなかった。2年前の8月の国際大会後の集合日。過去にも繰り返していた遅刻が、日大監督を兼ねる全日本柔道連盟の金野潤強化委員長の逆鱗に触れた。

 「やめていい」。寮から追い出された。大学近くにワンルームを借りて自炊し、出稽古を繰り返した。「当たり前だった練習環境は当たり前ではなかった」。3カ月後の講道館杯を制した後、金野監督に「もう一度、戻してください」と頭を下げて改心した。

 国内の代表争いを勝ち抜き、初めてつかんだ世界選手権の出場切符。見据えたのは頂点だけだった。4月に行われた代表合宿の書道体験で、世界王者だけが背負うことができる「赤ゼッケン」としたためた。

 「来年、圧倒的な力をつけてここに戻ってきたい」。有言実行を逃して決意を新たにした向に、日本男子の井上康生監督も「この涙が一回りも二回りも成長させてくれるだろう」と期待した。(田中充)

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