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【鬼筆のスポ魂】白鵬の2つの「騒動」偶然と思えぬ同時進行

春場所千秋楽で三本締めを行った白鵬=3月24日、エディオンアリーナ大阪(林俊志撮影)
春場所千秋楽で三本締めを行った白鵬=3月24日、エディオンアリーナ大阪(林俊志撮影)

 大横綱の身辺が騒がしい。大相撲の横綱白鵬(34)=宮城野部屋=がモンゴル国籍の離脱を同国政府に申請していることが明らかになった。日本国籍取得の手続きのためで、春巡業に参加中の白鵬は「まだ、ああだこうだというのは早い。今は私の口からこれ以上のことは言えない。あとは結果を待つだけ」と国籍変更を否定しなかった。

 一方、白鵬は全勝した春場所千秋楽(3月24日)の優勝インタビュー中に観客と三本締めを行った件で、師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)とともに日本相撲協会のコンプライアンス委員会から事情聴取を受けた。規定の違反に該当するかが審議された上で、来週に臨時理事会が開催される見通し。白鵬は処分を受ける可能性が高まった。

 幕内優勝42回という前人未到の成績を誇る白鵬をめぐる2つの“騒動”が同時進行していることは偶然とは思えない。なぜなら日本国籍取得の本当の狙いと、臨時理事会での処分の流れは微妙に交差しているかのように見えるからだ。

 白鵬が決断した理由は現役引退後、親方として相撲協会に残るためだ。外国出身力士が親方になるには日本国籍が必要。多大な功績を残した白鵬は将来、5人目の「一代年寄」を襲名するはずだ。さらに、日本人横綱として2020年東京五輪開会式での土俵入りも熱望しているといわれる。

 そして、それらの先には大きな夢がある…と宮城野部屋に近い関係者は今年の年明けに漏らしていた。

 「白鵬が目指しているのは大相撲の理事長の椅子。最大のライバルだった貴乃花親方が角界を去った。現在の八角理事長(元横綱北勝海)の後任が見当たらない。例外もあったが、基本的に理事長を務めるのは横綱経験者。芝田山親方(元横綱大乃国)は現理事長より年上だし、朝青龍や日馬富士も無理。武蔵川親方(元横綱武蔵丸)を推す声は少ない。数年先には八角から禅譲…。これが白鵬に近い関係者の読み」

 こうした声を聞けば聞くほど、春場所千秋楽のインタビューの最後に行った三本締めを問題視し、週明けにも処分を下す相撲協会の思惑を勘ぐりたくなる。

 白鵬は元横綱日馬富士の傷害事件が発覚した平成29年11月の九州場所千秋楽で、観客に万歳三唱を促すなどして批判された。

 懲りずに三本締めを行ったことに、八角理事長は激怒した。事情を聴取し、お灸(きゅう)を据えた上で、処分を科す本当の狙いはなにか。

 自身の後継候補を潰す? それは見方として意地が悪すぎる。大相撲の長い歴史の中で育まれた伝統、しきたりを軽視するような立ち居振る舞いを度々見せる白鵬に対し、将来、理事長を目指すならここらで認識を根底から改めさせなければならない-。八角理事長にはそんな狙いが隠されているように見える。

 立ち合いでの張り手やかち上げが問題視されるなど土俵上の取り口にも品格面を問われ続けている白鵬が、モンゴル人から日本人になった後に大相撲に対する考え方をどう改めるか。将来の大相撲が伝統やしきたりを守り、「国技」として今まで通りに継承されるかどうかの鍵になる。なので、白鵬の身辺に日本国籍取得と三本締め処分が同時に渦巻いたことは、とても偶然の一致とは思えないのだ。(特別記者 植村徹也)

     

【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の「NEWS TONIGHT いいおとな」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/caster.html )に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」( https://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html )ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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