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レスリング元学生王者、トレセン事故で損賠提訴

 日本レスリング協会が平成29年9月に東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で行った強化合宿中に、首から下が不随になる大けがを負った元学生王者の谷口慧志(けいじ)さん(22)と母親が、安全確保の義務を怠ったなどとして、協会と強化責任者の栄和人強化本部長(当時)、けがを負わせた選手(24)らを相手取り、慰謝料や介護費など総額2億2600万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたことが3日、分かった。

 他の被告は、栄氏と雇用関係にあった日本オリンピック委員会(JOC)、けがを負わせた選手が所属するALSOK。

 谷口さんはグレコローマンスタイル85キロ級の元全日本学生王者。将来を期待されたが、頸髄(けいずい)損傷で現在も入院生活を余儀なくされている。生涯にわたって重度の障害が残った。

 事故は29年9月13日に起こった。拓殖大3年だった谷口さんは学生選抜の一員として合宿に参加。世界選手権出場経験もある選手とのスパーリング中に頭からマットに落ち、病院へ救急搬送された。

 訴状によると、合宿には100人超の選手が参加し、マット上は混雑。谷口さんは相手を場外へ押し出そうとする際、隣接するマットの選手と接触するのを避けるため、プレーを中断しようと力を抜いた。

 相手選手は中断に応じることなく、力を抜いた谷口さんの両腕を外側から抱え込み、真後ろに投げる危険な技を仕掛けた。両腕を固定された谷口さんは受け身が取れる状態になく、そのまま投げれば重大事故につながることは「十分に予見できた」と主張している。

 また、事故につながった技は、谷口さんが所属する大学では禁止されていたが、合宿ではスパーリングのルール統一がされていなかった。危険の回避を指示するコーチも、適切に配置されていなかった。

 谷口さんらの代理人を務める貞友義典弁護士は「安全配慮義務が果たされていれば回避できた事故だった」としている。

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