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【鬼筆のスポ魂】憂慮されるイチロー「引退後」の生き方

【MLB米大リーグ開幕戦アスレチックス対マリナーズ】声援に応えるマリナーズ・イチロー=東京ドーム(撮影・甘利慈)
【MLB米大リーグ開幕戦アスレチックス対マリナーズ】声援に応えるマリナーズ・イチロー=東京ドーム(撮影・甘利慈)

 虚無感にさいなまれた末にやってくる人生の新たな選択はなんだろう。

 マリナーズのイチロー外野手(45)が現役を引退した。21日のアスレチックスとの開幕第2戦(東京ドーム)後、深夜の会見で「今日のゲームを最後に日本で9年、アメリカで19年目に突入しましたが、現役生活に終止符を打ち、引退することになりました。最後にこのユニホームを着て、この日を迎えられたことを大変幸せに感じます」と話した。

 日米通算4367安打(日本1278、米国3089)を記録した日本最高の安打製造機は45歳と150日でユニホームを脱いだ。翌22日には弓子夫人と成田空港から渡米。柔和な表情を浮かべて日本を後にした。考えられる全ての美辞麗句を背に受けて…。ところが、イチローが去っていった日本球界では「イチロー危機説」を指摘する関係者がいた。

 「イチローは子供の頃から野球のプレーをすることだけが生きがい。人生の楽しみの全てだったと思う。それが現役引退を発表してプレーするということが目の前から消えた。まだ45歳という年齢で、これからの人生は何を目的にして、何を生きがいにしていくのだろうか。これといった趣味もないイチローは強烈な虚無感に襲われる心配がある」。今回のアスレチックス対マリナーズ戦を主催した関係者は心配そうな表情で話していた。

 イチローには今後、ありとあらゆるオファーが舞い込むだろう。日本政府は国民栄誉賞授与の了承を得ようとするだろう。日本の企業からはCM出演の依頼が殺到。近い将来、プロ野球の複数球団から監督就任要請もあるだろう。巨額の資産を狙った!? 金融アナリストも近寄ってくるかもしれない。マリナーズもディポトGMが「マリナーズファミリーの一員として(球団に)残る」と話し、球団として何らかの役職を用意する意向も示した。

 まさに引く手あまたの状態だが、イチローが人生の新たな生きがいとして前のめりになれるものをそこに見いだすことができるのか。見当たらなければ心を支配するのは虚無感だけなのかもしれない。

 引退会見で今後の人生を問われたイチローはこう話していた。

 「今はわからないですね。でも多分、明日もトレーニングはしていますよ。じっとしていられないから、動き回っていますね。ゆっくりしたいとかは全然ない。動き回っていますね」

 「(自分は)何になるんですかね。元カタカナのイチローになるんですかね。『元イチロー』って変だね。書くときどうなるんだろう。どうしよっか。何になる…」

 ストイックなまでに心身を鍛え上げてきた現役生活。世界最高峰の舞台でプレーし続けることだけを追い求めた人生は大きな区切りを迎えたとしても、まだ人生は折り返し点だ。たとえ虚無感にさいなまれたとしても、その後に新たな生きがいを見つけなければならない。

 カブスのダルビッシュは「(イチローさんは)シーズンオフには神戸で毎日打撃をしていると思うので、またそこに参加させていただきます」とコメントしていた。ピント外れのようなこのコメントこそ孤高の天才打者の心のありようを見事に突いている。イチローはこれからどこに行く…。

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