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イチロー、現役生活に終止符「野球を愛してきた」

試合終了後再登場し、ファンの声援に応えるマリナーズのイチロー外野手=21日、東京ドーム
試合終了後再登場し、ファンの声援に応えるマリナーズのイチロー外野手=21日、東京ドーム

 地響きのような「イチロー・コール」はしばらくの間、鳴りやむことはなかった。八回の守備にいったんついたところで交代を告げられると、マリナーズのイチローはベンチ前で選手やスタッフ一人ひとりと抱擁を交わした。

 最後は帽子を取ってのカーテンコール。「プロ最後の2試合を母国の日本でプレーできてよかった。最後にこのユニホームを着て、この日を迎えられたことを幸せに思う」。記憶と記録を刻み続けた背番号51は、現役生活に別れを告げた。

 大リーグ1年目の2001年から10年にかけ、10年連続シーズン200安打という偉業を達成した。04年には262安打を放ち、シーズン最多安打を84年ぶりに更新。長打狙いではなく、安打を積み重ねていくことで大リーグでの自らの存在価値を証明してきた。

 ただ、希代の安打製造機も45歳。大リーグ19年目の今季はマイナー契約で迎えた。それでもテクニックを極めるべく、現役にこだわってきた。パワー重視の大リーグにあらがうように、40歳を超えてからも打撃技術とスピードで対抗してきた。

 近年はスイングスピードの衰えをカバーするため、上半身全体を大きくねじらず、左足1本で立つ時間を短縮。打撃フォームで努力を重ねる一方で、体脂肪率を維持するためのトレーニングも欠かさず続けた。

 昨年5月以降は選手登録を外れてフロント入りしたものの、チームに帯同して練習を続けた。「あの日々はひょっとしたら、誰にもできない。どの記録よりも、自分の中ではほんの少しだけ誇りを持てたことかなと思う」とイチロー。

 どのような状況にあっても、少しでも進化できるように準備を万全に整える。それが、イチローが大事にしてきた「流儀」だった。

 野球と真摯(しんし)に向き合い、努力を重ねることで、時代を切り開いてきた自負がある。貫いてきたことは何か、と問われたイチローは即座にこう答えた。「野球を愛してきたこと、ですかね。たぶん、明日もトレーニングしていると思う」。平成の野球界を駆け抜けてきた希代のスーパースターは、最後まで努力を続けられる「天才」だった。(浅野英介)

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