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【現役スプリンター 末續慎吾の哲学】春、心の声に耳を澄ます

 東海大に入学した頃、大学のグラウンドではOBの伊東浩司さんも練習をしていた。前年の1998年バンコク・アジア大会100メートルで当時の日本記録である10秒00をマークしたトップ選手だ。僕は能力が高い人に対して嫉妬を抱くことはない。憧れて「あんなふうになりたい」と素直に思うタイプだった。速くなりたくて、どんなメニューをしているのか、よく聞いた。物事を1センチでも1ミリでも前に進めるために、とことん自分に正直になる瞬間はとても重要だ。

 一方で、2008年北京五輪の後には心身のバランスを崩して休養に入った。自分が1番になりたいと思っているのか。周囲が求めるから1番になりたいと思い込んでいるのか。競技の最前線から離れ、1人になる時間が必要だった。

 「他人から言われたから何となくやる」というのではエネルギーは沸いてこない。自分の気持ちを感じ取って動く。そうすれば行動に責任を持つことができるはずだ。楽しいからやる。そして新しい自分ができあがっていく。単純だけど深淵(しんえん)な世界がそこにはある。

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