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【復興への架け橋(中)】被災地照らした「本物」の聖火台

石巻市総合運動公園に設置された本物の聖火台。日没で照らされた雲が、聖火の煙のように空へ伸びた=2月22日午後、宮城県石巻市(納冨康撮影)
石巻市総合運動公園に設置された本物の聖火台。日没で照らされた雲が、聖火の煙のように空へ伸びた=2月22日午後、宮城県石巻市(納冨康撮影)
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 津波による死者・行方不明者が3500人以上に上った宮城県石巻市の総合運動公園に、1964(昭和39)年の東京五輪で使われた「本物」の聖火台が立っている。高さ、直径ともに約2メートル、重さは約2・5トン。国立競技場の建て替えに伴い平成26年9月、同市に貸与された。

 「当時は『ほかにやることがあるだろう』といわれたこともあったが、『心の復興』につながったと思う」。石巻市体育協会の伊藤和男会長(72)は力を込めた。

 伊藤会長が陸上競技に打ち込んでいた高校時代、ブラウン管越しに見た聖火台は、戦後の荒廃から立ち直り飛躍しようとする当時の日本を照らす「かがり火」だった。「今度は震災復興のシンボルに」。2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長に直訴し、“誘致”に成功した。

 平成27年3月に開かれた点火式には、アテネ五輪陸上男子ハンマー投げ金メダリストの室伏広治さんが出席。復興と五輪の成功を願い、地元の子供ら約60人と一緒に聖火台を磨いた。以来、マラソン大会などイベントがあるたびに聖火台には火がともされ、3年間で計20回以上に及んだ。

 聖火台の貸し出し期限は今年3月下旬で終了する。それでも伊藤会長は「聖火台があることで子供たちの目が輝く。今後なくなっても、スポーツや五輪から得た前向きな気持ちはなくならない」と話す。聖火台は4月以降、岩手や福島で巡回展示される。きれいに磨き上げて送り出す予定だ。

         ×  ×

 五輪開幕まであと500日。各国の代表チームの事前合宿誘致やボランティアの募集など、本番に向けた熱気が高まっている。

 一方、岩手、宮城、福島の3県で競技が開催されるのはサッカー(宮城県利府町)と野球・ソフトボール(福島市)のみ。事前合宿地の合意に至ったのも、3県で計13件にとどまる。

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