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震災8年 岩清水梓、サッカーで思い体現「私も諦めない」

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今季への意気込みを語るなでしこの岩清水梓
今季への意気込みを語るなでしこの岩清水梓

 8年前、未曽有の天災に打ちのめされていた日本に笑顔をもたらしたのは、震災発生から約4カ月後のサッカー女子のワールドカップ(W杯)ドイツ大会を制した日本代表「なでしこジャパン」だった。頂点までの道のりを「不思議な力に後押しされた」と振り返るDF岩清水梓(日テレ)は、ドイツでの経験を胸に、前へ進み続けている。

 米国と顔を合わせた決勝(7月17日)の延長前半14分、致命的と思える勝ち越しゴールを許した。過去に米国に勝ったことはなかった。「もう追い付けない」と観念しかけた岩清水らを奮い立たせたのは、震災を乗り越えようと踏ん張る日本の姿だった。

 「被災してサッカーをやりたくてもできない子がいる。諦めていいわけがない」。自然に気持ちは切り替わった。延長後半12分に澤が同点ゴールをたたき込むと、PK戦の末に絶対女王を撃破。「いつもだったら勝ち越されてからの連続失点で終わっていたかもしれない」と今は思う。

 W杯を控えても練習すらできない仲間だっていた。ドイツで待っていたのは、日本を襲った悲劇を嘆き、復興を願う世界の声。「日本にいいニュースを届けたい」と誓って戦い、試合後には日本への支援に謝意を示すフラッグをスタンドに向けながらピッチを歩いた。

 岩手県滝沢村(現・滝沢市)で生まれ、物心がつく前に神奈川県へ引っ越した。当時の記憶はなくても、夏休みのたびに祖父母を訪ねて遊び回った“故郷”への思いは強い。震災後は復興支援活動としてサッカー教室などにも協力。「少しでも元気になってもらえたら」と参加しても、終わってみると「『頑張ってね』と声を掛けられて私の方が力をもらった」と感謝するばかりだった。

 与えてもらった力はいまも前へ進む原動力となっている。日テレは昨季、なでしこリーグ4連覇を含む主要タイトル3冠を総なめ。タイトルを取り尽くしても21日に開幕が迫った今季も全タイトル獲得を目指し、「まだまだ貪欲」と力を込める。

 遠ざかっているなでしこ復帰も諦めていない。「サッカーを続けている以上、代表を目指すのは当たり前。震災があっていいことなんて何もない。でも、あったからこそ自分のためではなく、支えてくれる方々のためにプレーしようと心から思えているのかもしれない」。チームを最終ラインで支える守備の要は、32歳になって迎える今季も体を張り続ける。(奥山次郎)

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