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【井崎脩五郎のおもしろ競馬学】馬も人も「しつけは我慢比べ」

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 夫を上手に調教する術-。

 表紙カバーにそう書いてあった。「妻の本音と夫の心得」というサブタイトルがついた、『定年がやってくる』(青木るえか/ちくま新書)である。

 定年を迎えた夫が、これまでと違いずっと家にいるようになって妻は生活のリズムが狂う。<実は主婦の本音は「一人で暮らしてぇ」がほとんどです。つまり邪魔なんだな、亭主が。じゃあこれからの長い長い老後を、楽しく笑いながら暮らすために夫婦はどう生活したらいいか>とあった。そのヒントが満載の本であった。

 たとえば、「嫌いなものが同じほうが長続きする」という一章。著者青木るえかさんは、なぜ夫とは長続きしているのかという点について、こう考察している。

 <それを考えた時に思いついたのが「好きなものはバラバラである」「しかし嫌いなものは同じ」ということであった。たとえば、プロ野球では私は阪神タイガース、夫が中日ドラゴンズのファンであって、そこはくい違う。だが、「読売ジャイアンツを憎むこと」については、手を携える間柄だ>

 ああ、なるほどなあと思う。もしかするとこれは、世界情勢にもあてはまるのではないか。このところ仲直りした韓国と北朝鮮。両国は、嫌いなのは日本という共通点があり、だから仲直りは長続きするのではないか-という見方があるそうだ。

 この本には、「子供を非行少年にする秘訣」という一章もあり、それは暴力を振るって育てることだという。

 <単なる暴力でも躾(しつけ)という名の暴力(=体罰)でも、とにかく暴力を振るっていれば非行少年に育つそうだ>

 ここで思い出すのが、シンザンを育てた武田文吾調教師の言葉。「言葉が通じないからといって、馬を暴力で支配しようとすると、なおいっそう言うことをきかなくなる。こちらが我慢して穏やかに接すると、相手も我慢ということを覚えるんです」。なるほどでしょ。(競馬コラムニスト)

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