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勇退の関学アメフット鳥内監督、指導者目指す契機は「日大」

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甲子園ボウル優勝祝賀会で監督退任を発表した関学大アメフット部の鳥内秀晃監督=2月11日、大阪市北区(林俊志撮影)
甲子園ボウル優勝祝賀会で監督退任を発表した関学大アメフット部の鳥内秀晃監督=2月11日、大阪市北区(林俊志撮影)

 アメリカンフットボールで昨年、全国最多29度目の大学日本一に輝いた関西学院大アメフット部の鳥内秀晃監督(60)が2019年シーズンを最後に退任することになった。後任は未定だが、退任は「昨年から決めていた」という。

 鳥内監督は11度の学生王者に導いた。残したものは、数字の偉業だけではない。学生たちの自主性を引き出すチームづくりに腐心してきた。部員が各自の役割に徹し、日本一を目指す部のDNAたる伝統は、昨年の日大悪質タックル問題で、その価値が再認識された。

 学生時代は関学大のDBとキッカーとして甲子園ボウルに4年連続で出場したが、いずれも日大に敗れ、「後輩を勝たせたい」と指導者を志した。米国へのコーチ留学で学生のやる気にコーチがアドバイスする指導に触れ、「これこそチームのあるべき姿」と影響を受けた。

 だが、指導者の道に進むきっかけをつくった日大が昨年5月、定期戦で関学大選手に悪質タックルを浴びせ、社会問題に発展。当時の記者会見で「大学スポーツは自分で考えてやるもの。学生がやりたいことをサポートするのが指導者の役割」と訴え、「恐怖、体罰のもとでやって教育が成り立つかというとあり得ない」と日大の体質を批判した。スポーツ界の指導者と選手の関係のあり方が問われた問題だからこそ、日大とは対照的な学生主導の鳥内流の哲学は、指導者のお手本として際立った。

 11日の退任発表後、鳥内監督は「フットボールで疑問に思うことをどう解決するか、誰に聞けばいいかを考える発想が欲しい。疑問がわかなければおもろない」と学生たちへの期待を改めて口にした。「4年が下級生を教えるのもええ勉強。人間を教えるのは課外活動が一番ええんちゃう」。関西弁が熱を帯びた。

 2019年シーズンは「最後やから頑張るという発想はない」。学生たちの成長を見守る、いつもと変わらない名将のラストイヤーが始まる。(岡野祐己)

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