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スポーツ記者リポート 一流選手は皆「考える人」

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女子シングルスで準優勝し、表彰式で笑顔の木原美悠=丸善インテックアリーナ大阪
女子シングルスで準優勝し、表彰式で笑顔の木原美悠=丸善インテックアリーナ大阪

 先月の全日本選手権(丸善インテックアリーナ大阪)で卓球を初めて取材し、驚いた。試合後の囲み取材に応じる選手たちが、勝ったときはもちろん、負けた試合でも丁寧に敗因を語っていたからだ。10分前後、皆嫌な顔もせずに答えていく姿が印象に残った。

 優勝候補と目されながら、男子シングルス準決勝で大島祐哉(木下グループ)に敗れた張本智和(エリートアカデミー)は、競った局面で相手サーブをどう返すかの判断ミスを敗因に挙げた。過去に優勝した大会では相手に向かっていけたが、守りに入って攻めきれなかったと悔やんだ。15歳とは思えない分析力と立ち居振る舞いに、他紙の先輩記者もびっくりしていた。

 女子シングルス5回戦で2大会前の覇者、平野美宇(日本生命)を破り、史上最年少で決勝に進んだ14歳の木原美悠(みゆう)(エリートアカデミー)もそう。伊藤美誠(みま)(スターツ)に敗れて準優勝に終わったが、「中学1年までは接戦が好きじゃなくて、接戦になるといつも緊張して負けていた。最近は我慢を課題に最後まで諦めずにできている」と精神面での成長を口にした。

 先日、木原の父で元選手の博生(ひろき)さん(48)のもとを訪ねた。木原が4歳から小学6年まで指導したが、「自分で考えないと卓球では勝てない。アドバイスをすると考える力がなくなる」。だから試合中にコーチに入っても技術的な助言は一切せず、自ら戦術を考えさせたという。

 サッカー元日本代表MFの中村俊輔(磐田)も試合後にじっくりと記者対応をすることで知られる。その理由を「話すことで頭の中が整理できるから」と聞いたことがある。野球評論家の野村克也氏は「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とよく言う。敗因を突き止めてこそ次につながる。一流と呼ばれる選手には「考える力」が備わっているのだろう。

 東京五輪が来年に迫っている。金メダリストたちは何を考え、いかに行動し、表彰台の頂点にたどり着くのか。一人でも多くの勝者の思考に触れてみたい。(岡野祐己)

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