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モンゴル勢に孤軍奮闘 けがと戦い「やりきった」

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 16日に現役を引退した横綱稀勢の里は、東京都墨田区の両国国技館で開いた記者会見で、涙をこらえることができなかった。栃煌山に敗れた3日目。「やりきったという気持ち」が頭をよぎった。15歳から土俵に全身全霊を傾けた横綱が、引退を決断した瞬間だった。

 決して器用ではない。最後まで克服できなかった脇の甘さ、腰高といった欠点を猛稽古で補ってきた。心に残っていることを問われると、「やはり稽古場。僕を強くしてくれた稽古場の思い出が強い」と振り返った。

 番付を駆け上がる中で朝青龍、白鵬らモンゴル人の名横綱たちを目指し続けた。「成長させてもらったのはモンゴル人横綱のおかげ。少しでも強くなりたくて背中を追い掛けた」と感謝した。モンゴル勢相手に孤軍奮闘する構図でとらえたファンとは違う感覚だった。

 平成22年九州場所の2日目は鮮烈な印象を残した。不世出の横綱双葉山の69連勝に迫っていた白鵬の連勝を63で止めた。自身が思い出に残る取組に挙げたのは、横綱昇進を決めた29年初場所千秋楽。白鵬をすくい投げで下した一番だった。

 横綱に昇進して臨んだ29年春場所に大ケガを負って以降は、成績を残せなかった。在位12場所で皆勤は2場所。横綱の権威を傷つけているとの批判を受け止め、進退について悩み続けた。

 「引退するか」と自問するたびに、支えてくれた人たちの顔が頭に浮かんだ。32歳は「応援してくれる方のために相撲を続ける判断をした」と土俵を務めてきた。ようやく休息のときが訪れた。(奥山次郎)

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