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稀勢の里がつくった負の遺産 失墜した横綱の権威

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 19年ぶりの和製横綱となった稀勢の里が、満員御礼の続く空前の相撲人気を呼び込んだ功労者であることに疑問の余地はない。一方、往生際の悪さを感じさせたここ数場所の土俵が、日本人が抱く横綱像を根底から揺るがしてしまったのもまた事実だ。

 横綱として残した負の記録はあまたある。平成29年夏場所からの8場所連続休場は年6場所制で、30年九州場所の初日からの不戦敗をのぞく4連敗は1場所15日制でワースト。30年秋場所千秋楽から今場所にかけて続いた土俵に上がっての8連敗も1場所15日制でワーストとなった。

 横綱在位12場所で皆勤はわずか2場所にとどまった。横綱としての通算成績は36勝36敗97休。記録から歴代横綱の在りし日に思いをはせるのは相撲の楽しみの一つだが、後世のファンは横綱稀勢の里の成績に目を疑うことだろう。

 横綱が想起させる「常勝」や「孤高」といったイメージは日本の宝といっていい。スポーツ界に限らず、横綱と称されるのが各分野の頂点に立つ存在であることは、日本人には説明するまでもない。歴代横綱の血のにじむような努力のたまものだ。

 勝てなければ土俵を去る潔さは、ぱっと咲いては散る桜の花と同様、日本人の琴線を揺さぶってきた。和製横綱として重圧を一手に引き受けてきた稀勢の里が現役を退いた相撲界は、横綱の権威回復という重い課題を突き付けられている。(奥山次郎)

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