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【虎番疾風録第2章】(6)「空白の一日」電撃契約

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江川(右)との電撃契約を発表する巨人の正力オーナー(中央)左端は長谷川代表
江川(右)との電撃契約を発表する巨人の正力オーナー(中央)左端は長谷川代表

 「巨人軍からあす朝、記者会見を開くという連絡がありました。何か重大な発表があるようです」

 幹事社から各新聞社へ通達があったのは、なんと、日付も変わった11月21日の午前3時前。非常識な時間帯での「連絡」に東京の編集局は騒然となった。巨人担当だけでなくほとんどの記者がデスクに叩(たた)き起こされ、真夜中の街へ取材へ走ったという。

 夜が明けて午前9時30分、東京・平河町の全共連ビルの記者会見場には、各テレビ局のカメラが十数台並び、約200人の報道陣が詰めかけた。緊張した表情でマイクの前に座っている江川卓。その横で巨人の正力亨オーナーが手に持った「声明文」を読み始めた。

 「ええ、ただいま、巨人軍は江川君と契約いたしました」

 まばゆいばかりにカメラのフラッシュが一斉に光り、会場に大きなどよめきが起こる。後方に陣取っていた何人かの若い記者たちが、あわてて公衆電話へと走った。その光景を見届け、正力オーナーは続けた。

 「野球協約の138条によりますと、昨年のドラフトで江川君を指名したクラウンライターライオンズの江川君に対する交渉権は、11月20日をもって消滅しております。したがって、きょう21日、江川君は協約141条でいう『いずれの球団にも選択されなかった選手』ということで、自由に選手契約ができるものと判断いたします」

 さらに-。

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