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【昭和39年物語】(19)初めての「王シフト」…広島・白石監督「奇策」で対抗

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 巨人・王貞治の放った4連発は野球界に衝撃を与えた。記録を塗り替えられた青田昇はこう語った。

 「やったね。王にとって幸いだったのは巨人が一方的にリードしていたこと。接戦だったら当然、敬遠されていた。堂々と正面から勝負した本間の態度には好感が持てた。次の広島戦も敬遠などせず、本間のように勝負してもらいたいね」

 四球で歩かそうものなら…。大騒動が起りかねない状況で5月4日、記者たちは上京した広島・白石勝巳(かつみ)監督を取り囲んだ。

 --まさか、1打席目で敬遠はないでしょうね。

 「あ、あたりまえだ。絶対に勝負させる。王には今年、ウチの投手陣はまだ1本のホームランも打たれとりゃぁせん」

 5日、巨人対広島7回戦。小雨降る後楽園球場には約4万の大観衆が詰めかけた。ダブルヘッダーの第1試合、午後4時37分、王が打席に入った。その時である。予期せぬことが起こった。

 一塁手の藤井が一塁線ぎりぎりに立ち、二塁手の阿南(あなん)が一塁に寄っていく。遊撃手の古葉が二塁ベースの後方に動き、三塁手の興津(おきつ)が本来の遊撃手の位置へ守備位置を変えたのだ。内野陣だけではない。外野陣も右翼手の森永が右翼線外野フェンスにピタリとつく。それに合わせ中堅手の大和田、左翼手の山本も右へ7メートルほど守備位置を移動。「王シフト」の誕生である。(イラスト図参照)

 どよめくスタンド。打席の王も一瞬「あれっと思った」という。1球目ボール。2球目、快音を発した打球は一塁手藤井のミットに…。大観衆に大きなため息が起こった。

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