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柔道審判失われる権威 時代が招いた「質」低下

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 近年の柔道界で目を引く現象がある。立ち技で相手をしたたかに投げ付けた後、さらに寝技へと移り、相手を抑え込む手を緩めない。どう見ても「一本」としか判定しようのない技の後に。そんな選手を目にすることが増えた。

 「審判が信用されていないからだ」と、ある重鎮は危機感を募らせる。

 国際柔道連盟(IJF)は判定の拠り所を映像に求め、判定の最終権限を主審ではなく試合統括者のジュリーに与える。さらに複雑な判断は大会全体の判定に決定権を持つ「スーパーバイザー」に一任している。

 主審が宣告した「技あり」は鶴の一声で一本に昇格し、「一本」が技ありに格下げされる。それが日常になった。冒頭で挙げた光景は、「一本」の取り消しに備えた選手の自衛策だ。「この状況で、主審が100%の責任感を持って判定をすることは難しい」と先の重鎮は指摘する。

 時代が招いた審判の質の低下といえ、今回の誤審はその延長線上にある。審判の目を助けるために導入した機器が、逆に審判の権威をおとしめる。東京五輪は皮肉な流れの中で開かれようとしている。(森田景史)

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