PR

スポーツ スポーツ

【オリンピズム 道 東京へ】我慢強いレスリング女王・土性沙羅(1)リオの金メダルは亡き恩師へ

Messenger
リオデジャネイロ五輪レスリング女子69キロ級で金メダルを獲得した土性沙羅=2016年8月、ブラジル・カリオカアリーナ(甘利慈撮影)
リオデジャネイロ五輪レスリング女子69キロ級で金メダルを獲得した土性沙羅=2016年8月、ブラジル・カリオカアリーナ(甘利慈撮影)

 2016年8月17日。レスリングの日本女子は、リオデジャネイロ五輪のマットで金メダルラッシュに沸いていた。48キロ級の登坂絵莉(東新住建)が口火を切ると、58キロ級の伊調馨(ALSOK)が女子初の五輪4連覇を達成。最後に誕生したニューヒロインが、69キロ級を制した初出場の土性沙羅(どしょう・さら)(東新住建)だ。当時は至学館大4年の21歳。日本女子重量級にとって悲願の金メダルを首からさげ、「すごく重くて大きい」と満面の笑みを浮かべた。

 決勝は激闘だった。相手は五輪連覇を狙う長身で懐の深いナタリア・ボロベワ(ロシア)。苦戦が続く中、最後に頼ったのは幼少期から磨き続けたタックルだった。低く当たり、一度はかわされたが、攻め続けた。相手の体勢が崩れたところを脚を取りにいってマットへ倒した。逆転で金メダルをつかみ取った。

 「実は、準決勝で左右の肩を痛めていて、直前に痛み止めの注射を打ってマットに上がった」。土性はこの夏、リオの苦しい状況を打ち明けた。準決勝の試合中、古傷の左肩が癖である脱臼でいったん外れ、右肩も痛めてしまう満身創痍(そうい)だったという。

 ようやくたどりついた世界の頂点。これに先立ち初出場した13年の世界選手権でいきなり銅メダルを獲得し、“新星誕生”を予感させたが、14年も銀メダルに終わっていた。「試合になると緊張する」。生来の上がり症。15年の世界選手権でも解消されなかった。試合が近づくと口数が極端に減り、試合中も動きが硬い。辛くも銅メダルを取った土性に日本女子の笹山秀雄コーチは「もっとリラックスできるように、周りの人と話してみたら」と助言した。

 約1年後、初めてそれを実践したのが五輪の舞台だ。試合前でもコーチやトレーナーに、あえて自ら話しかけた。効果は驚くほどてきめん。緊張がほぐれ、周囲から「おっ今日はいい感じじゃん」と言われるほどリラックスした。

続きを読む

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ