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自主性尊重の支援型リーダー 「黄金時代」青学大の原晋監督 

 2年ぶり4度目の優勝を果たした青学大の原晋監督=出雲ドーム
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 強かった。今月8日に行われた「第30回出雲全日本大学選抜駅伝」は青学大が全区間で先頭を譲らず、2時間11分58秒で2年ぶりに優勝した。箱根駅伝も4連覇中と“黄金時代”に突入している青学大を率いるのは原晋(すすむ)監督。なぜこんなに強いのか。率直な疑問だったが、選手たちの主体性を引き出すチームづくりを知り、なるほどと思った。

 原監督は2004年に青学大陸上競技部監督に就任し、出雲駅伝は12年の大会で初優勝した。4度目の出雲制覇となった今大会後、しみじみと振り返った。

 「出雲で優勝するまでの8年間は、私が一つ一つ細かく指導してがむしゃらにチームをつくる『君臨型』だった。でも徐々に学生を支える『サーバント型』に変わっていった」

 サーバント型とは聞き慣れない言葉だが、強い統率力で引っ張っていく指示型ではなく、部員との信頼関係を築き自主性を尊重すること。選手を支配するのではなく支援するリーダーを指すらしい。

 原監督はチームを常勝軍団に導いた功績からテレビ番組や講演会のゲストに引っ張りだこだ。当然、練習を空けがちになり、昨年は選手から不満が出たという。今年はどうなのか。

 主将の森田歩希(ほまれ)は「もっと練習を見てほしいという思いはある」と本音を漏らす一方、「監督が出した練習メニューの中でどうやるかということを全員が考えてやっている。箱根駅伝4連覇の監督なので信じています」と述べ、原監督も「私がいなくても、しっかり自己ベストを出してくれるんです」と誇らしげだ。

 関学大アメリカンフットボール部の鳥内秀晃(ひであき)監督の指導法に似ていると感じた。大学日本一を決める「甲子園ボウル」優勝回数で全国最多28度を誇る名門。「毎年、学生たちが日本一になりたいっていうから、こっちはアドバイスするだけ」。鳥内監督からそう聞いたことがある。新チーム発足時に選手一人一人と面談し「チームにどう貢献すんねん」と問いかけ、選手自身の言葉で語ってもらう。決して、こうしろとは指示しない。鳥内監督もサーバント型だろう。

 現代の強豪校の指導者に多いのは、選手の主体性を引き出すサーバント型なのかもしれない。もちろん、選手のもともとの素質や実力があってこそだが、自ら考え、行動に移す選手が多いほどチームは強くなる。チームマネジメントの極意の一端を垣間見た出雲駅伝だった。(岡野祐己)

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