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【舞の海の相撲俵論】指導とは何か 

舞の海秀平さん(荻窪佳撮影)
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 「熱があるから休ませてください」「熱があるのは生きている証拠だよ」と言いくるめられた。「首が痛いので休ませてください」「もげてないから大丈夫だよ」と一蹴された。稽古で耳が裂けて縫っても、ラグビー部からヘッドギアを借りてこさせ、「これをかぶって稽古しろ」。

 不思議なことに、稽古をやらされるとできてしまう。青森県立木造高校相撲部顧問の岩城徹先生は、苦しいことから逃げたい、少しでも楽をしたいという私の甘えを見透かしていた。

 先生との出会いは中学2年のスキー場。「うちで相撲をやらないか」と声をかけられた。私が相撲をとっていることを知っていて、軽い気持ちで言ったのだろう、と本気では受け取らなかった。

 中学3年になると、周りの仲間から、あちこちの強豪校にスカウトされているという話を聞かされた。当時私は体重60キロ前後。身体の小さい自分にはどうせ誘いはない、とは思っていたが心は傷ついた。

 虫の声が聞こえ始めた秋の夜。一升瓶を片手に両親を訪ねてきた人がいた。岩城先生だった。二階に上がろうと階段に足をかけたとき、障子の向こうから声が漏れてきた。「秀平君をうちの高校に欲しい」。こんな小さな自分に目をかけてくれていたのか。心が震えた。

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