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【大相撲秋場所】今場所に進退懸ける稀勢の里が白星発進 「自分の力を出すだけ」

勝ち名乗りを受けた後、土俵下で汗を拭う稀勢の里=9日午後、東京都墨田区・両国国技館(大橋純人撮影)
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 稀勢の里が進退を懸ける勝負の場所を幸先よく滑り出した。実力者の勢を寄り切りで下して白星発進。まったく危なげない内容で復活への期待を抱かせた横綱は、「集中していった」と大一番を振り返った。

 非の打ち所がなかった。過去15勝1敗と合口のよい相手。けんか四つの立ち合いで難なく得意の左をねじ込むと、迷わず前に出た。土俵際、苦し紛れの引き技にも動じることなく、腰を落として一気に土俵外へと運んだ。

 本場所で土俵入りを披露して相撲を取るのは今年初場所5日目以来で、勝ち名乗りを受けるのは同じ場所の2日目以来となる。復帰を待ち望んでいた観客から送られる大歓声が、重要な意味を持つ一番であることを物語っていた。

 稀勢の里自身、場所入り前からただならぬ緊張感を漂わせた。取組編成会議が開かれた7日に続いて、この日も朝稽古は非公開。取材に応じた師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は、「自分の相撲を取ってほしい」と祈るような思いを口にした。

 窮地を脱したわけではない。2日目に対戦する貴景勝は何をしてくるか分からない怖さがあり、真っ向勝負が確実視された勢とは対照的だ。「明日は明日。自分の力を出すだけ」。力士人生を懸けた土俵は幕を開けたばかりだ。(奥山次郎)

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