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【産経抄】
8月10日

 老舗の製菓会社が、企業イメージを上げるプロジェクトチームを立ち上げた。リーダーを任されたコピーライターは役員の前で、ホワイトボードに6つのアルファベットを書いた。

 ▼C…H…A…N…G…E(チェンジ)。「『変わる』ということが、どういうことか。お見せしましょう」。そう言いながらGの文字の右端をこすると、Cになった。「CHANGEは、CHANCE(チャンス)になるんです」。原田マハさんの小説『本日は、お日柄もよく』の一場面である。

 ▼先月末から、テレビのワイドショーの話題を独占していた山根明氏が、日本ボクシング連盟会長を辞任した。すでに、元暴力団組長との交際を認めている。審判に不正に介入して、出身連盟の奈良県の選手を勝たせる。いわゆる「奈良判定」についての新たな証拠も出てきた。

 ▼会長のチェンジをぜひ、連盟再生のチャンスにつなげたい。ただ、会長の声明にあったこの文言が引っかかる。「選手の皆さん、東京五輪に参加できなくても次の五輪もある。頑張ってください」。確かに、日本オリンピック委員会(JOC)が連盟を除名して、選手が五輪に出場できなくなる最悪の事態もあり得る。自らの責任を棚に上げた、人ごとのような発言と解釈できる。

 ▼もっとも、ボクシングそのものが五輪の実施競技から外される可能性も取り沙汰されている。国際ボクシング協会(AIBA)でも、スキャンダルが噴出して、国際オリンピック委員会(IOC)からにらまれているからだ。

 ▼山根氏は、AIBAでも元常務理事として政治力を発揮していた。ひょっとして、俺がいなくなったら、実施のチャンスはますます遠ざかる、との含意が…。さすがにそれはないか。

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