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【高校野球】たった一言「がんばれ」 戦後第1回出場の元山形中主将

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【高校野球】
たった一言「がんばれ」 戦後第1回出場の元山形中主将

開幕式後、山形東高の選手らを「頑張れ」と激励した旧制山形中学野球部主将の渡部盛雄さん(中央)=12日、山形県中山町の荘内銀行・日新製薬スタジアム(柏崎幸三撮影) 開幕式後、山形東高の選手らを「頑張れ」と激励した旧制山形中学野球部主将の渡部盛雄さん(中央)=12日、山形県中山町の荘内銀行・日新製薬スタジアム(柏崎幸三撮影)

 7年ぶりの全国出場だったが食糧難の続く時代でもあり、1週間分のコメとみそを背負い1日かけて西宮(兵庫県西宮市)に行き着いた。車中から見えた大阪の街はまだ焼け野原だったという。

 初戦は函館中との対戦。センターだった渡部さんは「渡部、がんばれー」との声援に驚きながら、初回の先制でリード。渡部さんも4打数1安打で奮闘したが、守備の乱れから5-13の完敗だった。

 山形から背負っていったコメは、「敵に塩を置いていこう」という教師の指示で函館中に、残ったコメ全部を渡したという。

 12日の開会式後、球場前に集まった後輩である31人の山形東高の現役部員らに激励の言葉としてこう言った。

 「がんばれっ」

 たった一言だけだった。当時の記憶を呼び戻し渡部さんは「当時は(先輩らに)ほっぺたをたたかれながらやったもんだ」とも。

 同校の安達海渡主将(3年)は「当時は何もなく、野球などできない、むずかしい時代だったと思う。野球をやることが許されているいま、(私たちは野球を)楽しんで、そして勝ちたい」と。

 山形を離れ、兵庫県に住む渡部さん。兵庫県西宮市の甲子園は地元のようなものだ。「甲子園で会おう」という言葉は渡部さんから出てこなかった。

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