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【スポーツ茶論】「夢舞台」を駆ける“みちのくの若武者”大谷翔平 黒沢潤

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 そんな思い出の球場の右翼3階席に今月上旬、大谷が150メートル級弾を練習中に放り込み、敵軍を驚かせるに至った。これには地元紙「デンバー・ポスト」のコラムニスト、マーク・キズラ氏が次のような言葉を吐いた。「人生の終焉(しゅうえん)を迎える前にすべきことがある。中国の『万里の長城』に登ること、アイスランドの『オーロラ』を見ながらダンスをすること、大谷の『打撃練習』を見ること」

 容赦ない辛辣(しんらつ)な批判を浴びせかける米メディア-。その厳しさを米滞在中の5年間で嫌というほど目にしていただけに、こうした指摘は意外というほかない。

 メジャー屈指の豪腕で、200勝間近のバーランダーも、大谷から奪った2500個目の三振をこう振り返る。「彼が負傷しないことを願う。いつか自分が年老いて最期を迎えたとき、『僕の2500奪三振はあいつから奪った』といいたいから」。童顔のサムライを“化け物級”と言わずして何と言ったらいいのか。

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 試合出場かなわず、指をくわえて試合を見るしかない天才・イチローの前で披露した3勝目の快投。米社会らしく「母の日」にちなみピンク色の帽子を同僚とともにかぶり、7回途中11奪三振というなで斬りを見せた13日の投球。米メディア「スポーティング・ニュース」の記者はそんな大谷について、「そういえば、彼はときどき先発投手もしている…」と息をのむ。

 翔平の「翔」の字は源義経が飛翔(ひしょう)するイメージから、「平」は奥州平泉からとったといわれる。この先、多くの試練が待ち受けるだろうが、“みちのくの若武者”らしく、たどり着いた「夢の舞台」で鮮やかに、颯爽(さっそう)と暴れてほしい。

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