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【東京マラソン2018】(上)井上大仁 自らに重圧「高い目標を言って覚悟を決める」

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【東京マラソン2018】
(上)井上大仁 自らに重圧「高い目標を言って覚悟を決める」

初の世界選手権に挑んだ井上大仁。力を出し切れずに終わった =昨年8月、ロンドン(川口良介撮影) 初の世界選手権に挑んだ井上大仁。力を出し切れずに終わった =昨年8月、ロンドン(川口良介撮影)

 これまでの自分という“殻”を破りたい-。井上大仁が今大会で見据える大きなテーマだ。「海外勢に付いていって、どこまで勝負できるか」。世界記録に近い高速ペースでレースを進めるであろうウィルソン・キプサング(ケニア)らに果敢に挑むつもりだという。

 2017年ロンドン世界選手権の「惨敗」が井上を変えた。同年の東京マラソンで、2時間8分22秒の自己記録をマークして日本人トップの8位と躍進。意気揚々と初の世界大会に乗り込んだが、結果は26位と全く振るわなかった。

 同じ代表の川内優輝(埼玉県庁)が9位、中本健太郎(安川電機)は10位と、ベテラン勢が力を出し切ったのと比べ、弱さを痛感した。「地に足が着いていなかった。メダルを取るには120%の力を出さないといけないと思ってしまって、練習環境や体の状態にナイーブになっていた」。気負いをコントロールするには、まだ若かった。

 帰国の成田空港では報道陣に見向きもされなかった。悔しくて腹が立った。「このままでいいのか」。自問自答の末、たどり着いた結論は「気持ちで引いてちゃ駄目だ」ということ。駅伝の区間上位、マラソンはまず2時間8分台…。思えば、それまで口にしてきた目標は少しハードルを下げたものばかりだった。

 「はっきり高い目標を言って覚悟を決める。その状況で平常心を保てるか。発言することで考えるし、練習で何をすべきかも見えてくる」

 昨秋以降、40キロ走を8本こなすなど、強気に語るだけの準備は重ねてきた。重圧を力に。最速への挑戦の中で、新しい自分を手に入れられるか。

                  

 25日に号砲を迎える東京マラソン。20年東京五輪の代表選考につながるレースを前に、注目選手を取り上げる。

                  

 ■いのうえ・ひろと 1993年1月6日生まれ。長崎県出身。山梨学院大-MHPS。165センチ、51キロ。

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