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【世界陸上】
サニブラウン、大健闘も悔しさ全開 「勝てりゃあ、9秒台、19秒台なんていらない」 男子200メートル
走り終えると表情をゆがめてしゃがみ込み、トラックに両足を投げ出した。サニブラウンに力は残っていなかった。
史上最年少で立った男子200メートル決勝の舞台。「とことん楽しんでやろうと思った。前半の100メートルを自分より速く走る人はいない」と最初から飛ばした。6万人の歓声を浴びながらカーブを抜けたときにはトップと僅差の4番手争いだった。
ここで痛みがあった右太ももが悲鳴を上げた。うまく足を回せなくなった。限界だった。自分以外の全員が自己記録19秒台を持つ中で大健闘の7位にも「全ラウンド走り切って1番にならないと全く意味がないと肌で感じた」と悔しがった。
「世界」は身近にある。大会中は、今大会まで拠点としたオランダで同僚だったリオデジャネイロ五輪女子走り幅跳び金メダルのティアナ・バートレッタ(米国)と練習し、同五輪男子三段跳び王者のクリスチャン・テーラー(同)から防寒用のクリームをもらった。
ダイヤモンドリーグも特別視せず、今季はコンディション調整を優先して出なかった試合もあった。「勝てりゃあ、9秒台、19秒台なんていらない。勝負できなきゃ面白くない」
秋から米国の名門、フロリダ大で走りを磨く。世界で勝つ。2020年東京五輪でメダルを取る。18歳は100、200メートルで本気度と可能性を示した。(宝田将志)