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【綱の名に恥じぬ(上)】新横綱・稀勢の里、猛稽古の中にも“おやじ”の愛

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【綱の名に恥じぬ(上)】
新横綱・稀勢の里、猛稽古の中にも“おやじ”の愛

横綱昇進伝達式で口上を述べる稀勢の里=25日午前、東京都千代田区(桐山弘太撮影) 横綱昇進伝達式で口上を述べる稀勢の里=25日午前、東京都千代田区(桐山弘太撮影)

 力士には2人の“おやじ”がいる。この世に生を授けてくれた実の父。そして、相撲界の師匠だ。

 稀勢の里が臨んだ横綱昇進伝達式。息子の晴れ姿を、父の萩原貞彦さん(71)は帝国ホテル(東京都千代田区)の会場で見届けた。もう1人の父である先代師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)も、天からまな弟子を見守ってくれたに違いない。

 伝達式後の会見で、新横綱は両親と先代師匠へはっきりとした口調で感謝の言葉を述べた。

 「頑丈でけがをしない体をつくってくれたのは本当にうれしい」と両親に。「先代師匠と出会わなければ今の自分はない。本当に感謝しかない」と、頑強に育ててくれた亡き師匠に。

 萩原少年は中学卒業と同時に、角界一の猛稽古で知られる鳴戸部屋の門をたたいている。稽古は午前5時に始まり、正午を過ぎても終わらない。1日100番を超えることも珍しくなかった。泣きながら兄弟子の胸を借りた話は知られているが、胸により深く刻まれているのは部屋での食生活だ。

 「おしん横綱」と呼ばれた師匠は、糖尿病に苦しみながら最高位に就いた。まな弟子に同じ苦労をさせたくなかったのだろう。野菜は自ら買い付け、トラックで大量に運ばせた。肉や魚介類の質にも徹底的にこだわった。調理は稀勢の里の実家と同じ薄味で。「厳しい中にも愛情があったから、ついていけた」と新横綱が振り返るゆえんでもある。

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