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【大相撲九州場所】稀勢、優勝ゼロで年間最多69勝 安定感と勝負弱さ「喜んでいいのか、悔しがったらいいのか」

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【大相撲九州場所】
稀勢、優勝ゼロで年間最多69勝 安定感と勝負弱さ「喜んでいいのか、悔しがったらいいのか」

表彰される年間最多勝の稀勢の里=福岡国際センター 表彰される年間最多勝の稀勢の里=福岡国際センター

 この勲章に誇らしい気持ちを持てない。単独年間最多勝。稀勢の里は「喜んでいいのか、悔しがったらいいのか」と複雑な表情を浮かべた。今年もまた追い求めてきた初賜杯に手を掛けられなかったからだ。

 一年納めの九州場所千秋楽は左差し右上手で宝富士を寄り切り、年間69勝目を挙げた。その年に優勝なしでの最多勝は年6場所制が定着した昭和33年以降初となる。

 1場所平均11.5勝。春場所から5場所連続二桁勝利を挙げた。本人が「非常に成長できた」と振り返るように、安定感は証明した。入門以来、貫いてきた外連味(けれんみ)のない相撲も高く評価できる。

 しかし、終盤戦でことごとく大一番を落としてきた事実とも向き合わなければならない。今年は3場所連続綱取りに挑みながら、大願成就は叶わず。現在の横綱、大関陣で賜杯を抱いていないのは稀勢の里だけだ。夢を膨らませてはしぼませる姿がもどかしい。

 兄弟子の西岩親方(元関脇若の里)は地力を認めたうえで「大事な一番を落とすのは気持ちが弱いからではない。稽古が足りないんだ。稽古量を増やせばいい。簡単なこと」と苦言を呈する。

 横綱昇進問題を預かる審判部内には、年明けの初場所で優勝すれば昇進に値するという意見もある。伝え聞いた稀勢の里は「終わり」と取材を打ち切った。最高位どうこうよりまずは優勝、との思いは誰よりも本人が強く抱いている。精進を忘れなければ好機は再び訪れる。(藤原翔)

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