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【話の肖像画】横浜高校野球部前監督・渡辺元智(2)“やんちゃ”と格闘、5年目で甲子園

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【話の肖像画】
横浜高校野球部前監督・渡辺元智(2)“やんちゃ”と格闘、5年目で甲子園

初出場の「選抜」決勝で、広島商を破って初優勝を決めた横浜ナイン =昭和48年、甲子園 初出場の「選抜」決勝で、広島商を破って初優勝を決めた横浜ナイン =昭和48年、甲子園

 〈高校野球の監督にはチームを強くするために私財をなげうつ例があるが、自身も部員を自宅に住まわせるなど、多くの犠牲を払ってきた〉

 6畳一間の部屋に私たち夫婦と預かった生徒が川の字になって寝ていた時代もあります。自宅に預かる選手が増えるにつれて、住む場所を変えなくてはいけなくなり、最初の10年間で10回は引っ越したでしょうか。育ち盛りの選手たちと一緒に暮らしていると、腹いっぱい食べさせるだけでも大変で、私の収入だけではとても足りずに女房にも苦労をかけました。パチンコに出かけて、出玉を缶詰などの食料品や生活必需品に交換することもありました。

 〈まさに野球漬けの日々だった。監督就任から5年目の昭和48年春の甲子園で初出場、初優勝の偉業を達成。名将としての歴史がスタートする〉

 5度の全国制覇はどれも比べることができないすばらしい思い出ですが、初優勝した選抜は中でも印象深い。小倉商(福岡)と対戦した初戦の延長十三回に大会史上初のサヨナラ満塁本塁打が飛び出す劇的な大会でした。「何が何でも全国制覇」と自身を追い込んで指導していたので、頂点に立った瞬間の達成感と充実感は忘れられませんね。(聞き手 奥山次郎)

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