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【話の肖像画】横浜高校野球部前監督・渡辺元智(2)“やんちゃ”と格闘、5年目で甲子園

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【話の肖像画】
横浜高校野球部前監督・渡辺元智(2)“やんちゃ”と格闘、5年目で甲子園

初出場の「選抜」決勝で、広島商を破って初優勝を決めた横浜ナイン =昭和48年、甲子園 初出場の「選抜」決勝で、広島商を破って初優勝を決めた横浜ナイン =昭和48年、甲子園

 〈高校野球の指導者になったのは大学での挫折がきっかけだった。現役時代に辛酸をなめたことが生かされた〉

 横浜高校を卒業して神奈川大学で野球を続けていた際に、右肩を壊して選手生命を絶たれてしまったんです。プロ野球選手になるという夢を完全に見失い、自暴自棄の日々でした。野球部を辞めて大学も中退しました。働き始めたんですが、大酒を飲んでは荒っぽいこともずいぶんしましたよ。そんなとき、高校時代の監督から「野球の指導者にならないか」と誘われたんです。野球にいちずに取り組んできた私の姿勢を評価してくれたと言ってくれました。何事にも真剣に取り組んでおくものです。当時は50年も続けるとは思いもしませんでした。人生はどうなるか分からないものです。

 〈順風満帆のスタートではなかった。指導者経験がないまま飛び込んだチームには、やんちゃな生徒ばかり。敵と戦う以前に自分の生徒たちと奮闘していた〉

 学校全体が荒れていました。毎日のように怒鳴り散らし、子供たちとはずいぶんとぶつかりました。選手の立場からすれば、厳しい練習を強いる20歳そこそこの監督に反発だってするでしょう。校外の山中に生徒から呼び出されたこともありました。自分にも余裕がなかったし、若かった。チームを勝たせなければ、監督をクビになって生活できなくなるという将来への不安もありました。

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