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【相撲よ 第2部(上)】「自分本位では成り立たぬ」 元時津風理事長の内田勝男氏(78)

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【相撲よ 第2部(上)】
「自分本位では成り立たぬ」 元時津風理事長の内田勝男氏(78)

取材に応じる内田勝男氏=12月8日午後、東京都内(藤原翔撮影)

 懸賞金を持ち上げるような受け取り方もそうだが、横綱がそうしたことをすれば下の力士はまねをする。青少年の教育上、良くない。指導する側の責任でもある。横綱になるまでの過程で、しつけがなされていなかった。

 相撲は自分本位だけでは成り立たない。相手を極力気遣うことが競技者の務めだ。相手をいたわるというのは、同情ではなく尊重すること。そうした意識が希薄になっているのではないか。

 相手に気遣われることは慎む。痛くても痛くないようにふるまう。昔は弱音を吐かないのが一つの日本人の特性だった。社会全体がモラル低下したように感じる。

 直径4メートル55センチの土俵でいかに良い相撲をとるかが相撲の原点だ。精神面を具現化するのが稽古で、発表する場が本場所。そこが一番大事といえる。

 現役の頃、部屋付きの親方衆が「押せ」「投げろ」と力士に対してげきを飛ばしているところに、師匠の双葉山関が姿を見せると「静かにせい」と一喝していた。

 相撲は人から指示されたことを実行するものではない。立ち合ってから互いに肌で感じて戦うのが武道、という考えからだったのだろう。

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