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【貳阡貳拾年 第6部 五輪報道の未来図】パラリンピックの迫力 どう伝えるか ドキュメンタリー視点から「見せるスポーツ」へ

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 パラリンピックが日本で初めてテレビに登場したのは、1964(昭和39)年の東京大会。開会式が生中継され、車いすバスケなどの競技が放送された。その後は五輪の陰に隠れ、開会式すらほとんどテレビで扱われない時期が続いた。

 流れが変わったのが、1998(平成10)年の長野冬季大会。自国開催ということもあり、NHKがBSで開会式や多くの競技を本格的に中継した。以降、障害者スポーツへの世界的な注目の高まりもあり、NHKでの放送時間は2004年のアテネ(39時間)から12年のロンドン大会(45時間)で、6時間も延びた。

 それでも、20年の東京大会で国民的な盛り上がりを実現するためには、テレビでの扱いが「不十分」といった声が上がる。

 「これまでは、『選手がハンディキャップを乗り越えるために努力した』といったドキュメンタリー視点に偏りがちだった。競技そのものの面白さや迫力を伝えられるよう、中継も進化させたい」。衛星放送のスカパー!を展開しているスカパーJSAT専務の田中晃は、そう強調する。

 スカパー!は昨年のソチ冬季大会で、国内初となる24時間放送のパラリンピック専門チャンネルを開設。来年のリオデジャネイロ大会に向け、今後、車いすバスケや全盲の選手によるブラインドサッカーの予選を放送するなど、障害者スポーツ中継に精力的に取り組む。目標はもちろん、東京大会だ。

 もっとも、同局が障害者スポーツ中継を始めたのは平成20年と歴史は浅く、撮影や実況などのノウハウ蓄積が急務になっている。中でも苦心しているのが、「分かりやすい中継」だ。

 パラリンピックの場合、脳性まひなどで運動能力に障害がある競技者による「ボッチャ」(赤青各6個のボールを投げたり転がしたりして白い目標球に近づけることを競う競技)など、多くの視聴者になじみのない競技が多い。さらに、選手の持つ障害の部位や程度によって、ルールも複雑に異なってくる。

 実況方法も難しい。例えばブラインドサッカーは、アイマスクを付けた選手がボール内の鈴の音を頼りにボールを追う。このため、試合の面白さを伝えるためには、視聴者にも鈴の音が欠かせない。だが、一般的なスポーツ中継の音量で実況を加えると、鈴の音の邪魔をしてしまう。

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