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【スポーツ異聞】テニスの憂鬱 厳罰化するルールと埋没する「個性」

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【スポーツ異聞】
テニスの憂鬱 厳罰化するルールと埋没する「個性」

マイアミオープンを制した王者・ジョコビッチだが、ボールボーイに対する「不遜」な態度で汚点を残した(AP)

 テニスは伝統と革新のはざまで進化を続けてきた球技である。もともと「紳士淑女」の保守的な競技である半面、判定をやり直すチャレンジ(審判補助システム)などの新ルールを導入。プロ野球のテーマの一つ「時短」にも乗りだし、ポイント間のインターバルの短縮やサーブのネットインをそのまま続ける「ノーレットルール」(下部ツアーで試験的に採用)など、大胆なルール改正で観客を飽きさせない改革を進めてきた。マナー違反にも目を光らせ、「アビューズ(乱用、侮辱などの意味)」違反はラケットやボールの取り扱い、試合中のコーチとのやりとりにまで細部に及ぶ。ルールが時代ごとに変わるのはテニスだけではないが、トップ選手は厳しい制約の中で「感情のコントロール」と格闘している。

紳士らしからぬプレー

 4月のマイアミオープン決勝。大会を制した世界ランク1位、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)がボールボーイに対する態度で「警告」を受けた。試合後、本人も「感情的な行為」を謝罪したが、王者らしからぬマナーに会場は一瞬、凍り付いた。

 ジョコビッチといえば、かつて四大大会でもベンチにラケットをたたきつけて感情を爆発させたことがあった。少年時代、コソボ紛争の試練を経験し、劣勢にあっても冷静沈着なプレーで知られるオールラウンダーである一方、ひとたび怒りのスイッチが入ると、感情の抑えがきかなくなるのは有名だ。

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