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【きょうの人】「人間として、男として自立させること」 「箱根」初制覇の青学大監督、原晋(はら・すすむ)さん(47)

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【きょうの人】
「人間として、男として自立させること」 「箱根」初制覇の青学大監督、原晋(はら・すすむ)さん(47)

箱根駅伝で総合優勝、選手に労われる青学大・原晋監督=3日、東京・大手町(桐山弘太撮影)

 学生時代に箱根駅伝は走っていない。日本学生対校5000メートル3位だった中京大のランナーは、関東の大学による正月の風物詩と無縁だった。「全然、興味がなかった。監督になるまで見たこともなかった」。それが、座右の銘である「人間万事塞翁(さいおう)が馬」の如く、人生が二転三転。史上16校目の優勝監督となる。

 大学卒業後は中国電力で競技を続けたが、右足首の故障もあって5年で引退。「原は駄目だという声を見返したかった」。省エネ空調機の営業などで昼夜なく飛び回った。社内でトップの成績を挙げ、物事の進め方、準備の大切さを学んだ。

 母校の広島・世羅高の関係者との縁で2004年、青学大の監督に。就任に際し、妻の美穂さんをはじめ周囲は「できっこない」と猛反対したが、唯一人、母の房子さんだけは「やるなら日本一になりなさい」と背中を押してくれた。退社して妻とともに選手寮に住み込み、指導に没頭した。大学側に提示したのは「10年で優勝争いをするチーム」。今年で11年目、敏腕ビジネスマンの読みと緻密さに狂いはなかった。

 「選手の彼女の話もするし、本当に何でも話せる」とは同郷で主将の藤川拓也の評。部の明るいカラーは指揮官の社交的な性格に起因する。選手がミスを犯すことは許すが、それを隠すなど人を裏切るような行為は認めない。指導の信念は「人間として、男として自立させること」だという。

 杯を傾けながら夢を語り合うことを楽しみとする47歳。自称「昭和のオヤジ」は、一人前に育て上げた選手たちの手で3度、大手町の宙を舞った。

  (宝田将志)

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