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【大相撲】熱血漢の境川親方、大関の師匠に

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【大相撲】
熱血漢の境川親方、大関の師匠に

 東京都足立区の境川部屋。師匠の境川親方(元小結両国)が座る上がり座敷からは土俵だけでなく、玄関を見渡すことができ、来客などに応対するまな弟子の一挙手一投足にも目を光らせる。豪栄道を大関に育てた師匠はこわもての風貌だが、信念を持って弟子育成に向き合ってきた。

 甘言で新弟子を勧誘することはないが、志を持った若者がどんどん入り、猛稽古に耐えて強くなる。部屋を創設して16年で8人の関取を誕生させた。弟子に現役時代の番付を抜かれても「ラーメン1杯、コーヒー1杯ごちそうにならねえよ。えらそうなことが言えなくなるからな」とユーモアたっぷりに笑う。

 相撲解説者の舞の海秀平氏(元小結)は、日大の後輩で現役時も同じ出羽海部屋に所属。現在は境川部屋の師範代を務め「『ここなら強くしてもらえる』と思うから、これだけ人が集まる。そうした力士の心構えと親方の熱血漢ぶりがかみあっている」とみる。

 元高校横綱で当時から注目を集めていた豪栄道は卒業前、境川部屋へ出稽古に来た。稽古をつけた幕下力士に師匠は言った。「お前ら、プロの端くれなら意地でも負けるなよ」。豪栄道は「ここなら強くなれる」と意気に感じ入門を決めた。

 大関昇進伝達式が終わり会見が始まる直前、それまでニコニコしていた師匠の顔が一変。52歳の誕生日を祝おうと、関係者がケーキを運んできたときだった。「いらん、やめろ! きょうは豪栄道の日や」。弟子を思う男気はぶれることがない。(藤原翔)

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