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【舞の海の相撲“俵”論】昭和の日に「天覧相撲」復活を想う

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【舞の海の相撲“俵”論】
昭和の日に「天覧相撲」復活を想う

 4月29日、昭和の日に想(おも)った。

 不祥事が相次いだ影響からか、3年以上天覧相撲が開催されていない。

 近頃は解説席に座っていても客席の熱気をより強く感じるようになってきた。11日に初日を迎える夏場所のチケットの売れ行きも好調という。相撲人気の復調をたしかに感じながら、何か物足りない気がする。

 現役時代に何度も経験した天覧相撲。幕内土俵入りは国技館正面2階席の天覧席(ロイヤルシート)に背を向けないように、いつもとは違って一礼した後、4列に並んで四股を踏む。「御前掛かり」と称される特別な土俵入り。いつも身が引き締まる思いだった。

 取組の土俵に立てば、普段はスムーズにできる仕切りや塩をまく所作も、一つ一つの動きを意識しすぎて、緊張を隠せなかった。菊の御紋が入ったたばこを畏れ多く頂いた記憶もよみがえる。

 天皇が臨席する形は天平6(734)年の相撲節の宮廷儀式から執り行われているとされる。明治時代になって世相が変わり、相撲が野蛮な裸踊りと批判されたときには救われた過去もある。明治17年に開催された天覧相撲で、相撲の価値が改めて見直されるようになったという。

 優勝力士に天皇賜杯が授与されるだけでなく、いまでも各地で奉納相撲や奉納土俵入りが行われている。相撲界と皇室は切っても切り離せない関係にある。それが“国技”と称される大きな理由の一つとなっているのではないだろうか。

天覧相撲の独特な雰囲気が、土俵の“チカラビト”に

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