東京五輪代表決めるマラソン女子MGC 大阪勢か愛知勢か  - 産経ニュース

東京五輪代表決めるマラソン女子MGC 大阪勢か愛知勢か 

 2020年東京五輪のマラソン代表選考会となる「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」は来年9月15日に開催される。11月末時点で女子のMGC出場権を獲得しているのは8人。今後も五輪への挑戦権を目指し、12月のさいたま国際、来年1月の大阪国際、同3月の名古屋ウィメンズとレースが続いていくが、活躍が目立っているのが駅伝の名門として知られる大阪薫英女学院高(大阪市)と豊川高(愛知県豊川市)の卒業生たちだ。(丸山和郎)
 今年1月の大阪国際では優勝した松田瑞生(みずき)(23)=ダイハツ=と2位の前田穂南(ほなみ)(22)=天満屋=が火花を散らした。25キロ地点で前田が先にスパートをかけたが、31キロ付近で松田がとらえると、そのまま独走態勢を築いてゴール。2時間22分44秒の好タイムで、新女王の座についた。
 2人は大阪薫英女学院で1学年違いの先輩後輩の間柄。先輩の松田がムードメーカー的な明るいキャラクターであるのに対し、前田は口数の少ないおっとりとした性格だ。前田は高校時代は補欠メンバーだったこともあって、「松田先輩は面白い人だけど、練習では厳しくて怖い先輩でした」と苦笑まじりに振り返る。
 それでも今は東京五輪を目指して、しのぎを削る間柄。9月のベルリンマラソンでも2人が競り合うことになり、今度は序盤から先行した松田を中盤以降に前田がとらえ、終盤に再び松田が引き離す展開。自己新で5位に入り、2度目の対決でも前田を抑えた松田は「年齢は関係ないので、正々堂々と勝負していきたい」と決意を新たにしている。
 薫英OGからはもう一人、大森菜(な)月(つき)(24)=ダイハツ=が、MGC出場を目標にマラソン挑戦を視野に入れている。高校時代から「将来はマラソンで五輪代表になる」と宣言し、立命大でエースとして駅伝日本一に貢献。松田と前田については「実業団では(2人の方が)キャリアが上だし、尊敬できる部分も多い」と話し、先にマラソンで結果を出す2人の後輩の活躍が刺激になっている。
 大森、松田、前田らは在学中に全国高校駅伝で優勝した経験はないが、同高の安田功監督は「将来は五輪で活躍する選手を育てること」を方針としている。学校のグラウンドも手狭で、強豪校として練習量は決して多い方ではないというが、高校時代にオーバーワークさせない指導が、実業団に入ってからの教え子たちの活躍に結びついている面もある。
 女子でこれまでにMGC出場権を獲得しているのは松田、前田の2人のほか、安藤友(ゆ)香(か)(24)=スズキ浜松AC▽岩出玲亜(れいあ)(23)=ドーム▽関根花観(はなみ)(22)=日本郵政グループ▽鈴木亜由子(27)=日本郵政グループ▽野上恵子(32)=十八銀行▽小原怜(28)=天満屋=の計8人。このうち、安藤、岩出、関根の3人が豊川高出身であることも特筆すべき点だ。
 やはり安藤、岩出、関根の順に1学年ずつ違う先輩後輩の間柄だが、薫英OGの2人と対照的なのは、3人とも高校在学中に全国高校駅伝で優勝を経験し、卒業後も着実にキャリアを伸ばしている点だ。
 女子のMGC出場権獲得者は男子の21人(12月2日現在)に比べるとまだ少ない。マラソンを走る女子選手は決して多いわけではないため、今後のレースでMGCへの切符をつかむ選手がどれだけ増えていくかは未知数でもある。
 東京五輪女子マラソンの代表は3人。うち2人がMGCで決まる。
 MGC本番でも、薫英vs豊川の図式が続いていくのか、彼女たちに負けじと別の高校の出身者が存在感をみせるのか-。いずれにせよ、高校時代から駅伝で都大路を駆けてきた選手たちの代表争いは東京五輪の本番以上に激しく熱くなりそうだ。