【全米テニス】相手への敬意忘れぬ新女王・大坂なおみ 近づく世代交代…“絶対女王”S・ウィリアムズの道筋重なる - 産経ニュース

【全米テニス】相手への敬意忘れぬ新女王・大坂なおみ 近づく世代交代…“絶対女王”S・ウィリアムズの道筋重なる

試合前に往年の名プレーヤー、ビリー・ジーン・キングさん(中央)と写真に収まる大坂なおみ(左)とセリーナ・ウィリアムズ=ニューヨーク(AP)
全米OPテニス女子シングルスで、大坂なおみが優勝。JR有楽町駅前では産経新聞の号外が配られた=9日午前、東京都千代田区(川口良介撮影)
女子シングルス決勝でセリーナ・ウィリアムズからポイントを奪いガッツポーズする大坂なおみ=ニューヨーク(共同)
女子シングルス決勝、大坂なおみと対戦するセリーナ・ウィリアムズ=ニューヨーク(共同)
全米オープンテニスの女子シングルス決勝で、セリーナ・ウィリアムズ(左)を破り健闘をたたえ合う大坂なおみ=8日、ニューヨーク(ロイター)
全米オープンテニスの女子シングルス表彰式でブーイングに涙する優勝者の大坂なおみ。右は準優勝のセリーナ・ウィリアムズ=8日、ニューヨーク(ロイター)
 テニスを始めた3歳のころからあこがれ続けた「女王」を破っての四大大会初優勝。長年の夢をかなえた大坂なおみ(日清食品)は、ネット際でセリーナ・ウィリアムズ(米国)に抱きしめられた瞬間、「子供のころに戻った」。両目から大粒の涙があふれた。
 試合は、S・ウィリアムズが受けた度重なる警告を不満とする客席の大ブーイングの中で終わった。「こんな終わり方ですみません」。表彰式でも相手に対する敬意を忘れなかったが、平常心を保った新女王のプレーは圧巻だった。
 大坂は序盤からサーブとストロークが好調で、第1セットの第3ゲームで相手のサービスゲームをブレークした。第5ゲームでも鋭いリターンでブレークに成功し、このセットを6-2で先取した。
 第2セットは、第4ゲームで先にS・ウィリアムズにブレークを許した。観客の大声援を味方にした四大大会23勝の“絶対女王”に流れが傾きかけた。
 「試合のなかで一番集中した」と大坂。直後の第5ゲームをブレークバックされたS・ウィリアムズのイライラは沸点に達した。
 第2ゲームで客席のコーチから指示を受けたとして警告を受けていたS・ウィリアムズは、ラケットをコートにたたきつけて2度目の警告を受けた。第7ゲーム終了時には主審に暴言を浴びせ、第8ゲームは戦わずして失った。度重なる中断にも、冷静さを失わなかった大坂に軍配が上がった。
 コートから離れると、素朴で飾り気のない人柄が周囲を魅了する。優勝の感慨も、20歳らしさが全開だった。記者会見では、今晩の過ごし方を聞かれ、「ビデオゲームをすると思う」と笑いを誘った。
 今大会、武器の強打だけでなく、フットワークを生かしたストローク戦や、緩急をつけたサーブでも成長をみせ、今年3月のマイアミ・オープンに続きS・ウィリアムズに連勝した。
 S・ウィリアムズは20歳から21歳にかけて、四大大会4連勝を飾った。10月16日で21歳となる大坂は、あこがれの選手と同じ道を歩もうとしている。女子テニス界の世代交代が近づいている。(ニューヨーク 上塚真由)