【アジア大会】南北合同チーム、新種目、eゲーム…変容する国際総合大会 - 産経ニュース

【アジア大会】南北合同チーム、新種目、eゲーム…変容する国際総合大会

ジャカルタ・アジア大会の公開競技「eスポーツ」で人気サッカーゲーム「ウイニングイレブン」のイランとの決勝で、大型モニターに映し出された両国の選手=1日、ジャカルタ(共同)
ジャカルタ・アジア大会のカヌー女子で金メダルを獲得した南北合同チーム「コリア」=8月26日、パレンバン(共同)
開会式で南北統一旗を持って応援する人々=8月18日午後、ジャカルタ・ブンカルノ競技場(納冨康撮影)
トライアスロン混合リレーで金メダルを獲得し、抱き合って喜ぶ(左から)佐藤優香、細田雄一、古谷純平、高橋侑子=パレンバン(共同)
 2日に閉幕を迎えたジャカルタ・アジア大会。16日間に及んだ会期中には、前回の仁川大会とは異なる光景が随所にあった。南北合同チーム、新種目、eゲーム。2020年東京五輪を2年後に控え、国際総合大会の変容ぶりが垣間見えた。(アジア大会取材班)
コリアで「銀」
 韓国と北朝鮮はバスケットボール女子とカヌー、ボートの3競技で合同チーム「コリア」を結成し、存在感を示した。バスケットボール女子で準優勝を飾るなどメダル総数は4。韓国は北朝鮮に対し東京五輪での合同チーム結成を提案しており、実現すれば夏季五輪で最初のケースとなる。
 “南北融和”が競技現場に入り込む現実。日本選手団の山下泰裕団長によると、国際的には「スポーツが世界平和に役立つのはいいことだ」という雰囲気が強いという。ただ、懸念もゼロではない。6月の東アジア柔道選手権では合同チームが結成される予定だったが、「統一旗」に竹島(島根県隠岐の島町)が入っていたため、日本側が抗議。結局、韓国と北朝鮮は別々に出場した。山下団長は「どの団体競技でもありうること。世界の動向を気にしながら、情報共有していく」と語った。
男女混合種目の妙
 国際オリンピック委員会(IOC)は、若い世代にアピールできる競技や男女混合種目を積極的に導入している。今大会、陸上では男女2人ずつの1600メートル混合リレーが初実施された。東京五輪でも新たに行われる種目で、走順は各チームで決められる。
 3走を務めた宇都宮絵莉は「一緒に走る選手が男子だったりして、いつもと違う感覚があった。(他者との比較で)スピードが出ているか分かりにくく難しい」。メンバー選考や走順の選択などに戦略性が求められるだけに、今後の動向に注目が集まる。
次回から正式競技に
 光の演出、大音量の実況解説、会場は音楽のライブイベントさながらだった。公開競技として実施されたコンピューターゲームの「eスポーツ」。今大会では計6種目が行われ、日本を含む18カ国・地域から135人が参加した。
 サッカーゲーム「ウイニングイレブン」では日本勢が優勝し、日本eスポーツ連合の岡村秀樹会長は「メダル獲得をきっかけに、さらに日本のeスポーツへの注目が高まってくる」とコメント。ジャカルタの邦字紙は、次のような観戦者の談話を紹介した。「インドネシアではまだゲームをスポーツとして見なしておらず、悪影響を心配して子供にやらせない親が多い」
 果たして競技として認知されていくのか。22年中国・杭州アジア大会では正式競技に加わり、24年パリ五輪での採用に向けた議論も始まっている。