実は隠れた野球王国・秋田 これまでにも幾多の名選手を輩出

スポーツ異聞
ロッテ-西武の試合前に行われた「ロッテ50周年セレモニー」に登場した村田兆治氏(右前)と落合博満氏=東京ドーム(田村亮介撮影)

 秋田の公立高、金足農の快進撃は史上初の2度目の春夏連覇を目指した大阪桐蔭の前に阻まれた。

 第100回全国高校野球選手権大会決勝。金足農は2-13で敗れ、準優勝。東北勢悲願だった深紅の優勝旗の“白河の関越え”は成らなかった。

 私立校では“野球留学”が全盛の中、金足農は全員が秋田県の出身者。若者の農業離れが進む中、農業の実習などと野球を両立しながら、甲子園へ駒を進めたことがクローズアップされているが、実は、秋田はもともと隠れた“野球王国”でプロ野球選手を数多く輩出している。

 なにしろ、日本プロ野球史上唯一となる3度の打撃三冠王を達成した落合博満を生んだ県だ。落合は南秋田郡若美町(現・男鹿市)の出身で、秋田工から東洋大を中退。しかし、社会人野球を経てプロ入り後の活躍はめざましく、通算2371安打、510本塁打、1564をマークした。こんな天才肌の大打者が秋田出身ということは特筆すべきだ。

 投手では阪急(現・オリックス)などでエースとして活躍、通算284勝をマークした山田久志が能代市出身。アンダースローから繰り出す速球で阪急の黄金期を築いた。

 ソフトバンクの摂津正は、明桜高の出身。JR東日本東北からソフトバンクへ進み、2012年には17勝をマークし、最多勝のタイトルと沢村賞を獲得した。最近は低迷しているが、5年連続2桁勝利を成し遂げるなど、実力派投手であることは間違いない。

 ヤクルトの左腕、石川雅規は秋田商OB。青学大を経てヤクルトに入団した。同じヤクルトの鎌田祐哉は秋田北中の1年先輩だ。ヤクルトは秋田出身選手と縁があるらしく、29歳の石山泰稚は話題の金足農の出身だ。

 打者に目を移すと、“男・石井”で知られた石井浩郎は近鉄で打点王のタイトルに輝いた強打者。秋田高から早大へ進み、プリンスホテルから近鉄入り。巨人、ロッテ、横浜でプレーした。

 捕手では中嶋聡が代表格。鷹巣農林高から、阪急入り。オリックス、西武、横浜、日本ハムと渡り歩いた。

 後藤光尊(みつたか)は八郎潟町出身。秋田高から、法大へ。オリックスでプレー後、楽天に移り、現在はコーチを務めている。(敬称略)