仕事?それとも家族優先? 大リーグ・マイコラスが妻の出産で球宴欠席 サッカーW杯ではイングランド代表デルフも一時離脱 

スポーツ異聞
前半戦で大活躍し、オールスターに選出された元巨人でカージナルスのマイコラス投手だが、姿はなかった=7月4日、フェニックス(共同)

 米大リーグのオールスター戦が17日、ワシントンで開催された。オールスターの名にふさわしく、10本塁打が乱れ飛ぶ迫力満点の試合となった。

 その中に日本人選手の名はなかったが、昨季まで巨人に在籍していたマイコラス投手(カージナルス)は前半戦を10勝3敗の好成績で終え、球宴に初選出された。15日のレッズ戦に先発したため、球宴での登板予定はなかったが、各種イベントに参加することになっていた。

 しかし、マイコラスの姿はなかった。米大リーグ公式サイトなどによると、欠席理由は妻の出産。日本でタレントとしても人気だったローレン夫人が双子を妊娠し、出産の兆候があることから、開催地を離れて妻の元へと向かったという。さらに、シーズン後半戦の冒頭も産休として、チームから離れることになった。

 巨人時代に好投した際は、「テレビで見ている妻と娘(第1子の長女、リリアンちゃん)にありがとうと言いたい」とよく語っていたマイコラス。今回の産休取得は、家族思いの右腕にとっては当然といえる判断だ。

 もっとも海外では、仕事よりも家庭の事情を優先するのがスタンダードになっている。日本プロ野球に籍を置く外国人選手も同じで、今年4月には阪神のマテオがパートナーの出産に立ち合うために、母国・ドミニカ共和国に帰国した。

 先日閉幕したサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会でも同様の出来事があった。イングランド代表のDFデルフが妻の出産に立ち会うため、決勝トーナメント1回戦のコロンビア戦を欠場。娘が生まれた後に再びロシアに戻り、スウェーデンとの準々決勝や、ベルギーとの3位決定戦に出場している。

 4年に1度しかない世界最大級のスポーツ大会は、サッカー選手の夢の舞台。それでもデルフにとっては、妻の出産に立ち会うことの方がはるかに大事だったということだ。

 日本でも徐々にこうした考えが広まってきているとはいえ、我が子の誕生の際にもファンの前に立つことを選択する選手は多い。

 巨人の中井大介内野手は4月7日に第1子が誕生したが、この日のヤクルト戦に先発出場していた。阪神の原口文仁捕手も3月31日に第1子が誕生したが、当日の巨人戦にベンチ入りしている。

 やや前の話ではあるが、西武の熊代聖人外野手は2013年、試合中に第1子の長男が誕生。その試合でサヨナラ打を放ち、お立ち台で「パパになって初めていい仕事ができました」とファンに報告している。

 家庭の事情を優先するか、仕事を優先するか。その選択に善しあしをつけることはできないが、当人にとっては極めて大きな決断になる。どちらも尊重されるべきだろう。(運動部 浜田慎太郎)