箱根駅伝で4連覇を達成した青山学院大監督の原晋(はら・すすむ)さん(50)

きょうの人
箱根駅伝で4連覇した青山学院大の原晋(はら・すすむ)監督

 94回を数える東京箱根間往復大学駅伝で青学大が史上6校目となる4連覇を達成した。指揮官は選手たちの手で4度、宙を舞った。

 「他大学が『対青学』に照準を絞ってくる所での勝負だった。これが強いチームが通ってきた道なんだな、と初めて感じた。ここで勝つからこそ、真の強豪になれるんだというプレッシャーがあった」

 復路で演じた鮮やかな逆転劇は、まさに常勝、王者の勝ちっぷりだった。これまでとひと味違った感慨に浸った後で、語気強く、こう言った。「強くなければ伝えられないんですよ」

 3年前の初優勝以来、明朗な元ビジネスマンは「旧態依然」と映る陸上界に独自の手法をぶつけ、変革の必要性を訴えてきた。動的ストレッチの重視、学生に目標管理をさせるチーム運営、学生が自らの言葉で語ることの大切さ…。「(テレビや書籍で)発信していると嫌う方もいる。でも、ライバルは他の大学ではなく、サッカー界、野球界なんだ。多くの子供たちに長距離を志してもらいたい。日本のお家芸であるマラソンを強くしたい」

 その言動を支える象徴的な言葉がある。「1人だと不安になるけど、1人でも戦わないといけない」。確固たる信念がにじむ。

 知見を深めるため、昨年4月からは早大大学院スポーツ科学研究科でスポーツビジネスを学び始めた。現在、修士論文の執筆中だ。青学大の強化の歩みを振り返り、その育成法の歴史をまとめるという。「締め切りが12日だから、この後、勉強しないといけないんですよ」。異能の陸上指導者は、軽やかに笑って次の挑戦に向かった。(宝田将志)