PR

Go For TOKYO 男子400㍍リレー

東京五輪
男子400㍍リレー

熟練
忍者の
バトンパス

個々の走力で勝る米国、ジャマイカなど短距離王国に対し、日本がチーム力を結集して立ち向かい、メダルを紡いできたのが男子400㍍リレー。その核となる技術がアンダーハンドパスだ。2001年の導入以来、磨き込んできた技術でバトンパス区間のタイムを〝圧縮〟、さらに個の走力も史上最速といえるレベルに向上した日本チームは、東京五輪で悲願の金メダルを狙う。

知らぬ間に
下から、さっと

陸上男子400㍍リレーにおいて、日本がアンダーハンドパスを使い始めたのは2001年からだ。導入を指揮した元日本陸連短距離部長の高野進氏は理想のバトンパスをこう表現した。
「忍者が知らない間に、さっと渡していく。そんな形をイメージしていた」

大多数の国が採用するオーバーハンドパスは次走者が後方に腕を伸ばし、前走者が上からバトンを渡す。2人の間の距離を稼ぎやすい。これを「利得距離」と呼ぶ。欠点は次走者が腕を高く上げるため加速しにくい点だ。

一方、改良を重ねた現在のアンダーハンドパスは次走者が腕を斜め後方、腕振りの一番後ろあたりに出し、前走者が下からバトンを押し込む。走る姿勢に近く加速しやすいのが利点で、オーバーほどでないものの利得距離も狙う。これを秒速10㍍以上の速さで走りながら、数歩の間に完了させる。

矢印をタップ/クリックすると表示されます

0秒08差
銀を勝ち取る

蓄積した測定データを基に、次走者が絶妙なタイミングで動き出すのも日本の強み。リオ五輪では、当時の日本記録となる37秒60をたたき出し、カナダを0秒04抑えて銀メダルに輝いたが、バトンパスの3区間合計でカナダを0秒08上回ったことが効いた格好だ。

わずかな狂いが
致命的ミスに

この10分の1秒、100分の1秒を削り出す作業には巧みな技術が求められ、新たな走順で臨んだ世界リレーでバトンミスが出てしまったように、バトンの握り位置や動き出しなど、わずかな狂いは命取りになる。

世界リレー大会 男子400㍍リレー予選。バトンパスでミスする第3走者の小池祐貴(左)とアンカーの桐生祥秀。痛恨の失格となった
=2019年5月、日産スタジアム

東京五輪でライバルとなりそうなのは米国や英国、ジャマイカ、カナダなど。18年からはバトンパスが可能なテークオーバーゾーンが20㍍から30㍍に延びた。米国など走力で勝負するチームにとって失格しにくいルール変更は追い風だろう。

日本伝統のバトンワークは熟練しつつあり、さらにタイムを短縮するには個々の走力向上という課題を避けて通れない。近年はシーズン前、選手をリレー合宿で集めず、各自で課題を見据えてトレーニングし、バトンは実戦の中で磨く強化策を取っている。リオ五輪代表の山県亮太は「銀メダルを取って『もう一つ上に』という気持ちが強くなった。金メダルを目指したい」と意気込んでいる。

9秒97×4
「金」狙える

銀メダルを獲得したリオデジャネイロ五輪直後、日本陸連短距離部長だった苅部俊二氏は「東京五輪で金メダルを狙うなら100㍍9秒台か、200㍍19秒台の選手が2人はほしい」と語っていた。

当時、日本に「10秒の壁」を突破した選手はいなかったが、2017年に桐生祥秀が9秒98を、昨年にはサニブラウン・ハキームが9秒97、小池祐貴が9秒98をそれぞれマーク。苅部氏が指摘した水準に達し、史上最速の陣容となりつつある。

日本陸上競技選手権大会 男子200㍍の表彰式で並ぶ(左から)2位の小池、1位のサニブラウン、3位の桐生
=2019年6月、博多の森陸上競技場

シーズンベスト
5~6%圧縮

日本陸連の土江寛裕五輪強化コーチによると、400㍍リレーのタイムは、メンバー4人の100㍍(または200㍍の半分)のシーズンベスト合計より5~6%速くなることが分かっている。これはバトンワークの精度に関連しており、1992年バルセロナ以降の五輪で、日本が最も短縮したのは北京五輪の6.85%、2番目がリオ五輪の6.46%だ。なお、リオ五輪決勝では日本と中国(6.88%)以外は5%台で、米国は4.95%だった。

土江氏は「日本はバトンが良い時で6.5%ほど。そうすると、4人の平均が9秒97で金メダルを狙える」とみる。計算通りに運べば、日本記録(37秒43)を0秒1以上上回る37秒29。08年北京五輪以降の世界大会9大会で5度優勝できたタイムとなる。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

東京五輪2020まであと

ランキング

ブランドコンテンツ