PR

バイデン政権、米韓同盟重視も文氏の対北融和にクギ 米韓首脳会談

PR

バイデン米大統領(ゲッティ=共同)
バイデン米大統領(ゲッティ=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国を公式訪問している韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は21日午後(日本時間22日未明)、ホワイトハウスでバイデン大統領と初の対面会談を行う。バイデン氏と対面で会談する首脳は菅義偉(すが・よしひで)首相に続き、文氏が2人目。バイデン氏は菅氏の後を追う形で訪米を要請してきた文氏に応じ、北朝鮮や中国の脅威をにらんだ米韓同盟を重視する立場を示した。だが、バイデン氏は1年後に退任を控える文氏が「南北関係の前進」や「米朝対話再開の仲介」といった実績を残したい考えから対北融和に傾斜しているのを戒める構えだ。

 会談で米国側は北朝鮮との対話再開を急ぐ文氏に、対中国など大きな文脈での米韓連携を優先させる方針を示し、米韓の立場の一致に向け、時間をかけて協議を尽くしていく考えだ。その意味で会談では、文氏が対中国で米国とどこまで歩調を合わせる用意があるのか、態度表明を迫られる局面も想定される。

 バイデン政権は先ごろ、北朝鮮政策の見直しを完了し、文政権にもその概要は説明済みとされる。文政権は、米政権が外交を軸とした「柔軟」な取り組みを進める方針を示したことを歓迎しているが、米政権高官は「現時点で北朝鮮との対話再開に向けた具体策に言及することは米国の利益とならない」と述べ、対北外交を早急に動かすことに消極的立場を示した。

 一方、米議会では、文政権が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制への配慮を強める一方、自国内で人権や言論の自由を抑圧しているとの批判が強まっている。

 議会の超党派でつくる人権委員会は4月15日、「韓国の市民的・政治的権利」と題するオンライン会合を開き、韓国国会で昨年末に成立した「対北朝鮮ビラ禁止法」を取り上げた。委員会の共同議長を務めるスミス下院議員(共和党)は、「韓国憲法で保障された表現の自由を不当に侵害するものだ」と非難した。

 同法は、南北の軍事境界線一帯でビラを散布するなどした場合、3年以下の懲役または罰金刑に処すると定めている。朝鮮労働党の金正恩総書記の妹、金与正(ヨジョン)党第1副部長(当時)が昨年6月、ビラ散布の法規制を要求してきたのを受けて与党が強行採決で法制化したものだ。

 文氏が今回の訪米で最初の会談相手にペロシ下院議長を選んだのは、米議会での文政権批判に釈明する狙いもあったとみられる。

この記事を共有する

関連トピックス

おすすめ情報