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アラブとの歴史的和解に水 イスラエル攻撃 イスラム諸国「組織的犯罪」と非難

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16日、パレスチナ自治区ガザでイスラエルの空爆で破壊されたビルのがれきから6歳の少女を救出する人たち(ロイター)
16日、パレスチナ自治区ガザでイスラエルの空爆で破壊されたビルのがれきから6歳の少女を救出する人たち(ロイター)

 【カイロ=佐藤貴生】イスラム圏の56カ国とパレスチナで構成する「イスラム協力機構」(OIC)は16日、オンライン形式で会合を開き、パレスチナ自治区ガザへのイスラエルによる軍事攻撃はパレスチナ人に対する「組織的犯罪」だと非難した。イスラエルは昨年、一部のアラブ諸国と歴史的な和解に達し、中東の勢力図が一変するとの見方もあったが、イスラム原理主義組織ハマスとの軍事衝突の激化が関係改善の流れに水を差した格好だ。

 ロイター通信が伝えた。OICの会合では、イスラエルとの国交正常化で昨年合意したアラブ首長国連邦(UAE)の高官が「新たな段階の地域不安定化」を避けるため、「最高度の抑制」を要求した。

 UAEは、エルサレムのイスラム教聖地にあるモスク(礼拝所)周辺で10日にパレスチナ人とイスラエル治安部隊が衝突し、攻撃の発端となった事件についてもイスラエルに「深い懸念」を示していた。

 OIC会合後の声明では、サウジアラビアも聖地の尊厳を冒したとしてイスラエルを非難。サウジは近年、核開発を進めるイランに対抗するため、国交がないイスラエルと異例の接触を重ねていたとされる。バーレーンとイスラエルが昨年、国交正常化で合意した際には陰で和解を後押ししたともささやかれた。

 トルコのチャブシオール外相は会合で、イスラエルの戦争犯罪の責任を明確にすべきだとして国際刑事裁判所(ICC)が役割を果たすよう求めた。イスラエルは未加盟だが、ICCのベンスダ主任検察官は同国の協力なしでも捜査を進める意向を示している。

 トルコのエルドアン政権はイスラム世界の盟主を目指しており、パレスチナ人の権利保護を主張。イスラム教の聖地メッカがあるサウジとは2018年の反体制サウジ人記者殺害事件などで関係が冷え込んでいたが、チャブシオール氏が11日にサウジを訪問してファイサル外相と会談するなど関係改善に動いている。今回の軍事衝突を契機にアラブ諸国との融和を図る狙いもうかがえる。

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