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空爆下のガザ地区「住民標的、遺体が増え続けている」

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取材に応じたサベル・ガッサンさん(本人提供)
取材に応じたサベル・ガッサンさん(本人提供)

 イスラエルの軍事攻撃を受けるパレスチナ自治区ガザでは空爆や砲撃が昼夜を問わずに続いている。現地住民らがSNS(会員制交流サイト)などを通じて取材に応じ、恐怖と惨状を語った。

 「イスラエル軍は病院に通じる道路を破壊している。負傷者や病院で働く人たちの行く手をふさぐためだ」。サベル・ガッサンさん(29)が怒りを込めて語った。病院では薬などが不足しており、治療を受けられず死亡した人々の遺体が増えているという。

 ガッサンさんは、服飾や英語学習を通じて若者の就職を支援する会社を経営しているが、イスラエル軍の攻撃で破壊された。「会社が攻撃されたのは2019年に続いて2度目だ。住居など民間人の所有物が壊滅的な打撃を受けている」と非難した。

 女性のナディン・エマラさん(14)は14日、両親ら親族の多くが砲撃で死亡し、おばの家に身を寄せた。「私が見た限りで最もひどい空爆が行われている」というエマラさんは、親類の遺体を引き取ろうと病院に通う日々だ。「新型コロナウイルスの感染拡大よりもっと悲惨な状況を目の当たりにしている」

 イスラエルのネタニヤフ首相は、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは住民を「人間の盾」にしていると批判した。だが、取材に応じたモハメド・べレムさん(30)が「イスラエルは子供を含む住民を標的にしている」と述べるなど、多くの人がネタニヤフ氏の説明を一蹴した。

 ガザはイスラエルの封鎖により外部との出入りが厳しく制限され、「天井がない世界最大の監獄」などと称されてきた。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、住民約200万人のうち140万人が難民で、電気が来るのは1日に数時間。95%は清潔な水を入手できない。

 度重なるイスラエルの攻撃で産業は壊滅的打撃を受け、失業率は50%超に達するとされる。これまでも自殺する若者が多いと指摘され、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など精神的問題の拡大も懸念される。(カイロ 佐藤貴生)

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