PR

【アイ・ラブ・ニューヨーク】有事に備えを

PR

新型コロナウイルス流行が沈静化し、人出が戻り始めた米ニューヨーク市のタイムズスクエア=4月(共同)
新型コロナウイルス流行が沈静化し、人出が戻り始めた米ニューヨーク市のタイムズスクエア=4月(共同)

 見知らぬ電話番号からの着信は、新型コロナウイルスワクチンの2度目の接種を促す内容だった。自動音声で氏名と生年月日を確認され、「あなたが受けたワクチンは2度の接種が必要なタイプなので、予約してください」という。

 日本の両親にも市役所から接種の案内が届いた。予約開始日が私の2度目の接種予定日と同じだという。高齢で重症化リスクが高い親より先に接種を終えることには罪悪感も覚える。

 日本の接種開始が他の先進国より遅れた背景に、1970年代以降、予防接種の副反応に対する不安が広がったことがあるという。翻って米国では報道機関などに炭疽(たんそ)菌入りの郵便物が届いた2001年のテロ事件を機に公衆衛生上の危機への対処が充実し、ワクチン開発や臨床試験(治験)の支援につながった。

 有事体験が危機対処能力を強化するのは、悲しい現実だ。107人が死亡した05年のJR福知山線脱線事故の災害医療を取材した際も「がれきの下の医療」の先進国は戦争を何度も経験したイスラエルや米国だと聞いた。

 日本の感染症への備えは今回の反省を踏まえて進化するはずだが、危機はウイルスだけでない。普段からテロなど他国の有事への対処事例に学び、備えることが大切だと改めて思う。(平田雄介)

この記事を共有する

関連トピックス

おすすめ情報