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パレスチナ衝突 バイデン氏、沈静へ働きかけ 中東不安定化、核協議への影響を懸念

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演説するバイデン米大統領=10日、ワシントン・ホワイトハウス(AP)
演説するバイデン米大統領=10日、ワシントン・ホワイトハウス(AP)

 【ワシントン=大内清】イスラエルとパレスチナの武力衝突で、バイデン米大統領は11日、パレスチナ自治政府トップのアッバス議長に書簡を送り、事態の沈静化を呼びかけた。米メディアなどが伝えた。バイデン氏自身が外交活動に乗り出した背景には、事態がこのまま悪化すれば中東の不安定感が増し、優先課題であるイラン核合意への復帰などにも影響しかねないとの危機感がある。

 ブリンケン米国務長官も同日、イスラエルのアシュケナジ外相と電話会談し、全当事者が暴力を停止すべきだとの考えを伝達。ブリンケン氏は10日にも、ワシントンでヨルダンのサファディ外相と会談し、将来のパレスチナ国家とイスラエルによる「2国家共存」案支持を改めて強調した。

 ただ現時点のバイデン政権には、イスラエルとパレスチナの和平協議再開に向けた仲介に乗り出すといった考えは薄い。国務省のプライス報道官は11日の会見で、「米国としてやれることはやっているが、2国家共存を話し合えるときではない」と述べた。

 バイデン政権は現在、トランプ前政権が離脱したイラン核合意への復帰に向けた同国との間接協議を続けており、中東情勢の混乱は避けたいのが本音だ。

 バイデン氏は、核合意の修復が中東外交での最優先課題と位置付けている。それによってイランの核開発を制限し、同国が周辺に与える脅威を減退させることが、安定的な秩序の構築につながるとの認識からだ。

 ただイランは、中東各地の武装勢力を支援して影響力を強めることを安全保障政策の柱の一つとしており、ハマスとも強いつながりを持つ。今回の衝突がハマスとイスラエルの本格的な戦闘に発展した場合、イランの反米・反イスラエル勢力の牙城で対外工作を担う革命防衛隊などが、ハマスへの支援も通じて干渉を強める可能性は高い。

 バイデン政権は、核合意に反対する同盟国イスラエルの理解を得られるよう慎重にイランとの間接協議を進めてきただけに、今回の衝突で事態が複雑化するのを懸念する。手立てが限られる中、関係勢力への呼びかけを続けている格好だ。

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