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イスラエルとハマス、双方とも妥協は困難か 国連など調停へ

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 エルサレム旧市街のモスク(イスラム教礼拝所)で起きたイスラエル治安部隊とパレスチナ人の衝突はパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスを巻き込んだ戦闘に発展した。ロイター通信によると、国連やエジプトなどが停戦に向けて調停に乗り出したもようだが、イスラエルとハマスの間ではこれまでも大規模な軍事衝突が起きており、戦闘が拡大する可能性もある。(カイロ 佐藤貴生)

 米国が在イスラエル大使館を移転してから14日で3年。エルサレムはまたも対立の火種となった。衝突が起きた「アルアクサ・モスク」は旧市街のイスラム教第3の聖地にあり、信仰心が高まるラマダン(断食月)に入った4月中旬以降、周辺ではイスラム教徒のパレスチナ人と排他的なユダヤ人らの小競り合いが頻発していた。

 イスラエルのネタニヤフ政権は2014年夏、ユダヤ人少年3人が射殺体で見つかった事件を機にガザに侵攻、ハマスとの間で2千人以上が死亡する大規模な戦闘を展開した。今回も双方が敵対的な姿勢を崩さない可能性がある。

 右派与党リクードを率いるネタニヤフ氏は3月23日の国会選後、他党との連立協議が頓挫し、現在は中道・左派勢力が連立協議を進める。治安維持で妥協しない態度を誇示して求心力を取り戻す狙いがちらつく。

 一方、パレスチナでは5月22日に15年ぶりとなる評議会(議会)選挙が行われる予定だったが、自治政府のアッバス議長が4月末に延期を発表。自ら率いる主流派ファタハが分裂、支持基盤が弱体化したアッバス氏が敗北を避けたとの見方が広がり、ハマスはアッバス氏を批判していた。対イスラエル強硬派のハマスはパレスチナ人の間で根強い人気があるとされ、支持拡大のため戦闘継続に意欲をみせているとみられる。

 エジプトの政治評論家、ハサン・アブターレブ氏(65)は電話取材に「早期停戦は見通せない。イスラエルが東エルサレムのパレスチナ人の強制退去を推進すれば、新たなインティファーダ(反イスラエル闘争)に発展する可能性もある」との見方を示した。

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