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バイデン大統領が安保めぐる「暫定戦略指針」発表 北朝鮮の「非核化」に言及せず

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米ワシントンでの行事で発言するバイデン大統領(AP=共同)
米ワシントンでの行事で発言するバイデン大統領(AP=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領は3日、安全保障政策をめぐる「暫定戦略指針」を発表し、中国やロシアに対抗するため日本や韓国、オーストラリアや北大西洋条約機構(NATO)との連携を強めていくと表明した。一方で指針は北朝鮮の非核化には言及しておらず、日本にとっては一部に不安の残る内容となった。

 ブリンケン国務長官によると、バイデン政権は数カ月後をめどに本格的な国家安全保障戦略の策定を目指しており、暫定戦略指針はそれまでの「つなぎ」の役割を果たす。

 指針は、中国やロシアが世界各地で米国や同盟諸国の利益を脅かしているとの認識に立ち、「私たちは単純に4年前に立ち戻ることはできない」と指摘。オバマ政権以前への回帰を否定し、外交・安全保障政策や内政で新たな道筋を描いていくと表明した。

 また、NATOや日韓豪との同盟関係を「米国にとって最も強力な戦略的資産だ」と指摘した上で、同盟諸国と「公平な責任の共有」を進めると共に、各国が現在と将来の脅威に対処できるよう能力向上を進めていくことを奨励するとした。

 また、米戦略の優先順位に照らしてインド太平洋地域と欧州、中南米を最重要視し、米軍兵力をインド太平洋と欧州に重点配備していく考えを示した。

 同時に、アフガニスタンでの対テロ戦争の「責任ある幕引き」を図るとともに、中東の米軍も「適正規模」にし、優先地域への振り向けを進めるとした。

 北朝鮮政策では日韓と連携し、「北朝鮮の核・弾道ミサイルの脅威の低減」に向けた外交努力を強化していくとした。

 ただ、北朝鮮または朝鮮半島の「非核化」実現に直接言及する文言はなく、バイデン政権が北朝鮮の核を当面は容認した、との誤ったシグナルを金正恩(キム・ジョンウン)体制に送る恐れもある。

 核戦略については「国家安全保障戦略における核兵器の役割を低減させる取り組みを進める」とし、オバマ元政権の核軍縮路線に立ち戻る立場を示した。同盟諸国への核の傘を意味する「拡大抑止」は「強力で信頼に足るものであり続ける」と強調した。

 台湾については「(アジアでの)主導的な民主体制であり、枢要な経済・安全保障におけるパートナーだ」として、従来通り支持していくと言明した。

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